第16話 三年三か月
ゴブリンメイジの当りの剣を見つけた、ゴブリン戦士・ゴブリンアーチャーの剣の近くに当たりがある説が有力になって来た、期待しているとグレーダウルフみたいに試しても試してもダメな時はあるけど。
「サンドラ様、今日はONだったのですか」
「昼間はOFFです」
「本当の偶然か」
「そうだと思いますよ、私達三日ほどダンジョンに入ってません、ONにしても今日は無理だと思いますよ」
地下五階の剣探しもゴブリンアーチャーがメインでゴブリンキングは最後のボス部屋に居る、ボス部屋って入ったら出られないタイプと逃げられるタイプとに分かれるがここのボス部屋入ると倒すまで出られないタイプだ。
部屋にはボスと取巻きの戦士・アーチャー・メイジ5匹とボスがいる、戦い方は考えてある。
その前にアーチャーの剣を見つけないとボス部屋には行けない。
ダンジョンの迷路の奥まで入るとゴブリンは戦士・アーチャー・メイジの組み合わせが出て来る。
最初に戦士を倒してから後衛のゴブリンへ、ゴンの盾で近づく戦法はそのままだ。
近づいて最初に俺はメイジを始末してからゴンが抑えているアーチャーへ剣を試す、そして普通の剣で倒すという手順だ。
三匹の組だとアーチャーが確実に居る、枝道の奥まで来ると今日のお仕事が終った感がある、帰りはアーチャーも出るが剣の試練出来ないのでそのまま倒して終わりだ。
レイ達が一匹を四人で倒せている、アーチャー達はゴブリンの後衛職なので接近出来た時点で終わりのはずが、レイの攻撃力では一撃では倒せず、バースの魔法では近づかないと当たらない、アニスは身隠して接近出来るのに躊躇するので接近できない。
「アニス、レイが攻撃してヘイトが向いている間に接近して止めを刺さないとレイが危ないぞ」
十分なレベルが有ればここの階でメイジやアーチャーは接近すればお客さんなのにレベルが上がってもレイの攻撃力はバラバラで3撃以内で倒す事が出来るのが二割くらいしか無い。
一番多い時は7回攻撃してやっと倒せたことがある。
おれでも普通の剣でゴブリンアーチャーと戦った時はゴンのダメージが無い状態でもテクニカルが付かなくても三回攻撃すれば倒せる。
レイの攻撃三回より俺の普通の攻撃三回の方が攻撃力が有るっておかしく無いか?
勇者なのに攻撃力が低いって本当にどういう事だ、と言いたくなるのは俺で無くレイだよな。
最近、アニスの攻撃に精彩が無い、サンドラの体調が良くなったら今度はアニスかアニスが女の子特有の・・・と思っていても前回のサンドラの事があるから聞けない。
「アニス、ダンジョンの中もONにしましょう」
「それは駄目ですサンドラ様」
「今のままでは、いずれアニスがケガをします」
「そうなったら治してください」
「私が解っているのに私が行わない事でアニスがケガをしてたら耐えられません」
「判りましたがサンドラ様の力が無くてもサンドラ様をお守りする事が出来る様に努力します、もうしばらくはOFFのままにしてください」
「そうですか、判りましたでもダンジョン内で危険なときはONにしますよ」
今日も地下五階のアーチャーはハズレでした。
帰りの四人での戦闘もアニスの体調不良が治ったのか攻撃が鋭く成ってきた、前より周りをよく見て臨機応変に戦ってる、時々バースの魔法とニアミスがあり言い合ってますが何とかなりそうで安心した。
「レイがヘイトを取っているんだからバースの魔法は要らない」
「今のはレイの攻撃が決まらなくて、一旦引こうとしていたので退避したのを見て、撃ち込んだだけだ俺の右目は正確だ」
「サンドラの盾が間に合わなかったら、私の髪がまた燃えるところでした」
「前に燃えたのはまつ毛だろう」
「燃えたのに変わりありません」
「ストップ、二人ともダンジョンから出たら、二人で決着がつくまで言い争って良いから今はストップしてね、俺たちは先に宿舎に帰るから」
「誰が判定するのですか」
「だからふたりが納得するまで話し合って、俺達に関係ない所でお願いします」
「あなたがリーダーなのにそんな無責任な」
「そうだ判定する人は必要よ」
「じゃー、ごんな」
「・・・・・」
「嫌だってか、仕方ない、サンドラお願いね」
「わたしも嫌です」
「えーとレイは」
「私では決着はつかないかと」
「お前たちは今の戦いで誰が一番危険だった」
「燃やされそうになった私」
「違うだろう、一番危険な所に居のはレイだ、お前達二人が今後もこんな感じだと戦いの修練にもならないぞ」
ウルフとの闘いは上手く行っていたのに何か少しずれている、アニスの対応力がもう少し上がれば問題も解決する。
バースの魔法を撃つタイミングもそうだが元々あそこで魔法は必要かと思ってしまう、今度はバースが・・・男には無いよな。
「バースどうした、あそこで魔法は必要だったか」
「そうなのか、俺は右目がうずいて、魔法が撃ちたいんだ」
「あのタイミングで撃つ事は必要ないだろう」
「いつ撃てばいいんだよ」
「行く時はアランが倒すし、帰りはレイとアニスで倒せると俺はいつ魔法を使えば良いんだ」
「魔法を撃ちたいの」
「最初からそう言ってる」
「そうか、魔法を撃ちたいのか」
「地下五階は洞窟だからな・・・やってみるか、バース三匹、来たら撃っていいからな」
一撃目の攻撃をバースの《爆炎》にした、《爆炎》はゴブリン戦士に向かって飛んで行くが躱された、後ろに居るアーチャーとメイジには当たる。
そうなんです、魔法は躱すと真っすぐ飛んで行きますので何かに当たるまで止まりません。
身体能力の低いアーチャーとメイジに当たりますが遠いので一撃では死なない、バースの魔法が飛んで行った後を追いかけて行きますコプリン戦士は《爆炎》を躱して体勢が悪くなってなくても、一撃で終わる。
次はアーチャーとメイジですが爆炎でダメージが入っているので魔法も弓矢も準備中、メイジもさようならと、次に剣の試練を武器の持っていないアーチャーに行って、ハズレの場合は反対の手に持っている剣で止めを刺せば終わりです。
名付けて《爆炎》の盾作戦、ゴンは女の子たちの護衛をしてもらってる。
欠点はやり過ぎるとバースの魔力が無くなるので地下五階で使う魔力は半分までと決めた。
帰りはレイとアニスがゴブリンと戦闘して危ない時はサンドラの盾が出るという感じて進んでいる、ゴブリン戦士以外はもう大丈夫だ。
ゴブリン戦士との闘いは接近戦闘職通しの戦いで攻撃力が足りないのは結構なハンデに成る。
ゴブリン戦士の攻撃を躱して、躱して受け流して、アニスの一撃離脱でダメージを蓄積して倒すという感じで、いつも待機して見ている俺の方が疲れる。
ゴブリン戦士を二人で倒せる様になればここの階での訓練もお終いです。
新人が入って来て3か月になると早いEの連中はもうここを出て行った者もいる、この季節が意外と精神的に来るものがある時期だ。
何かみんなの顔が暗い、そうだよな俺たちは最低でもあと20年はここに居ると考えると、ため息しか出なくなる。
「何かみんな元気が有りませんね」
「そうか」
「これがダンジョン病ですか」
「それって知らないけどなに」
「ダンジョンに入り続けてレベルも上がらずに悶々として魔物を倒す生活しているとなるらしいですよ」
「そんな事は無いと思います、私レベル上がりましたよ」とレイが言った。
「俺の右目も上がったと言っている」
「・・・・・」
「何だってゴンもレベル52に成ったのか」
「上がって無いの俺だけか」
「すぐ上がりますから」
「前にも同じ展開無かったか」
「そうでしたか」
「あの時上がったら教えてくれるって言ってなかったか」
「そうでしたか」とレイがとぼけてる。
「それなのに何で暗い顔してたんだ」
「それの方がアランさんが上がったときに面白そうだからです」
暗い顔して嬉しいのを我慢して、俺がレベル上がった時の顔拝むという事か?
「なんじゃ、その理由」
「所でレベルは幾つに成ったのですか」
「19だよ」
「そうですか、私達は今22です」
「そっちも上がっているのか」
「大分前ですよ、これって言わないと駄目ですか」とアニスが聞いて来た。
「20と30と50の時は必要かな、その時スキルも変化する場合が有るから把握しておきたい」
「わかりました、私達は30に成ったとき皆さんは20に成ったときですね」
「俺は上がった都度言うけど、お前達も言えよな」
「私達が言ったらアランさんの感動が薄れますよ」
「そうかそういう事だよな・・・・言わないでくれ、やっぱり言ってくれ、いやいや言わないでほしい」
「どっちにするのですか」
「どちらでも良い」
「私達のレベルが上がってからいままでの経験で行くと二日後くらいなので次回はギリギリで言ってみますか」とレイが俺のレベルが何時上がるかの予想を言った。
「俺で遊ぶのは良く無いと思うぞ」
今度、休みの日にこっそり一人でダンジョンに入ってやる、そして経験値の差を逆転してやるぞ。
あー、無理だった、休みの日は男達は大体一緒で最近は資料室へ行く時もサンドラも一緒に行ったりするので一人の時間が無い。
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