第15話 三年2か月

 やった、地下四階が終わった、長かったです探し始めて八か月です、650本を超えて当たりが出た。


 当たらない時は当たらないと思っていますがこんな事が続くんですね、平均は5か月を切っていますからそんなに悪い数字ではないのに。


 地下五階は洞窟型で上位種のゴブリンだ、地下四階から地下五階へ行く地下四階の階段付近でキャンプしている人達を良く見ます、キャンプしている人は地下五階がメインの人と地下八階以降へ行くための人達です。


 地下二階のゴブリンが居た洞窟型の通路と変わりない、少し薄暗いが視界は悪くない、横道も有るので突然出て来るゴブリンに注意してい進まないたとだな。


「ここが地下五階ですね」


「前に見に来た時と変わりませんね」


「今年のC・Bがまだ下がって来れないので、あと数か月はここでレベル上げする人は少ないはずです」


「活動しているのは通常は去年のAとBです、Bの人達は今年の人と合流したため地下三階に戻った様です、その後は地下7階がメインとなるのでここには長い期間居なですね」


「結局、居るのは去年のAだけか」


「そうです、また、アドルフ達です」


「そうなんですか、アドルフ達も6階へ行ってないんですか」


「地下六階は面倒な階なので行けないです、西の人達と行くにもまだレベルが足りてないと思います、地下6階の適正レベルになってからだと思いますよ」


「レベル25以上ですか」


「そうです」


「あの三人で地下五階大丈夫なんでしようか」


「地下五階の推奨パーティは6人・レベル20以上ですからね」


「三人だと地下五階は複数ゴブリン上位種が来るので対処出来いです」


「私も、そう思います」


「結局は地下四階で地道にレベル上げしたほうが良いと思います」


「少しでも下でレベル上げする事が正しいと考えているのでしょう、危険でケガも多いのでサンドラさんを誘いに来たんですよ、今はどうしてるのでしょうか?」


 地下五階、最初のゴブリンはゴブリン戦士だった瞬殺で進む、次はゴブリンアーチャーって暗い中から矢が飛んで来る。


 先頭を歩いていたがバースの魔力感知が無ければ矢の対応は出来なかった、この階から飛び道具と魔法が飛んで来る。


 ゴンの盾も強度の高い鋼鉄製の大きい盾にした、飛び道具と魔法対策だ。


 ゴブリンアーチャーは距離が有ると山なりの矢も飛ばすが、近づくと真っすぐの矢しか撃って来ないのが欠点らしいの、盾でどんどん近づく戦法が推奨されていた。


 俺のパーテイにこの矢を切り落とすことが出来る人間は居ない。


 ゴブリンアーチャーも近づいたら逃げれば良いのに、逃げないでゴンの盾で叩かれて倒れた、あ!!、ゴブリンアーチャー死にそうだ早く剣を試さないと駄目だ。


 ハズレだ、止めは俺が普通の剣で刺した。


 地下五階に入ってから二刀流に変えた、右手は普通の剣をいつも持っている、左手は試練の剣を持つために盾を持たずに開けている。


 グレーダウルフと戦っていた時にこのスタイルの方が外れた時に対処しやすい事に気が付いた、少しは普通の剣が使えるようになったので二刀流が様に成った。

  

「何でゴブリンアーチャー一匹で居たんだろう」


「最初に襲って来たゴブリン戦士と一緒に居たと思いますよ」


「最初に瞬殺したから一匹残ったのよ」


「そうだと思いますよ、二匹で行動しているって資料に書いてありました」


「前衛と後衛の二匹体勢なら、こちらは楽で良いよな」


「前衛のゴブリン戦士は瞬殺出来ますから、実際には後衛一匹ですからね」


 みんなが何か言っているが、今日の剣の試練は終わったのでさっさと安全な地下四階へ帰りますよ。


「今日の剣の試練は終わったので戻って地下四階で修行だ」と俺が宣言した。


「やっぱり地下四階で修行ですか」とレイは少し嫌なのか?


「まだ、三匹で来られたら厳しいから、さっさと上へ行くぞ」


 

 地下五階入口近くの横道に隠れていたアドルフ達が出てアラン達を見送った。


「あいつら帰ったか」


「帰ったみたいです」


「本当にあいつの強さ、非常識だよな」


「ゴブリン戦士、瞬殺って何ですか」


「俺たちは横道に隠れてゴブリン戦士が過ぎてからアーチャーかメイジを倒してゴブリン戦士と戦う作戦なのに、ゴブリン戦士が過ぎたと思ったらあいつらが来てアーチャーも簡単にやられてた、どうなってんだ」



「いつもの所に魔石置きますね」


「ありがとう」


「とうとう地下五階へ入ったんだったな」


「入りましたよ、推奨レベル20だぞ」


「平均は20を超えてますし、入口付近はゴブリン戦士とアーチャーかメイジの組み合わせしか出ませんから、ゴブリン戦士は地下二階で済んでますからアーチャーかメイジの一匹だと楽勝ですよ」


「コプリン戦士は地下二階の強さと全く違うだろ」


「そうなんですか、よく解りません」


「よく解らないって事はないだろう」


「当たりの剣が有れば魔物は一撃ですから、どの位強いかは判らないですよ」


「そうなのか」


「スキルってそういう物ですよね」


 話には聞いていたがとんでもないスキルではないのか、今は地下五階だが地下10階までのボス級が地下10階以降は普通に雑魚として出て来るからレベルが上がらないと攻略が進まない、それで今は地下12階で停滞している。


 逆に地下10階以下は地下10階までのボス級以外は各階に二種類程度しか新しい魔物が今までの資料では出て来ない、各階を二年から三年で攻略出来るペースで行くと二十年以内には15階へ到達出来る、二十階まで有ったとしても30年以内には行けるよな。


 俺が死んでも、これからここに来る者に光となるのか。


 地下10階にいつ到着するかだな、その後はどうするかAの者達と話し合いだな・・・、悪い事を考えると経験値マシーンとして活用する話が出かねないがSの連中が黙ってないだろう、そこに西の連中も絡んでくると・・・頭が痛い問題かもしれない。



 今日はどっちが来るかなアーチャーかメイジかな。


「何か戦ってる音しませんか」


「前の方にコプリン四匹と人三人居るよ」


「どうする」


「助けましょう」


「危険になるかも知れないから、女子二人はいつでも逃げる準備して」


「隠れて、危険になったら逃げます」


「大丈夫か、ゴブリン戦士、足早いぞ」


「大丈夫ですよ」


 戦っている場所に近づいたらゴブリン戦士が脇道の入口で戦っていた、脇道の奥にはまだ人が居る、その脇道の奥でも戦った居る様だ。


 最初に入口のゴブリン戦士を始末した、正面から飛んで来る火の玉をゴンの盾が防いだ、先にメイジを始末だ。


 いつものパターンだ、ゴンの盾でメイジを抑えて剣の試練を行ってそのままゴブリンメイジを普通の剣で始末するという流れだ。


 ゴンが抑えていたメイジに剣を振ったら・・・、メイジが消えた?


 普通の剣で始末する前に当たりが出た、まだ一月経ってないのに当たった。


 おっと喜んでいる場合ではない。


 横道から人が出来て入口へ逃げて行く、その後をゴブリン戦士とメイジが後を追って来た、待機しているレイとバースが危ない。


「《爆炎》」


 レイが前に出てコプリン戦士と戦い始めた、《爆炎》で足が止まった所へ一撃入れた、余りダメージは無いがコプリン戦士の意識は完全にレイに向いた。


 レイは剣捌きがうまくなっている、ゴブリン戦士の攻撃をうまくさばいて軽く攻撃している、ゴブリン戦士が怒っていらついてる。


 ゴブリンメイジがこちに気が付いて攻撃した来た、いつもはゴンちゃんの出番ですが当たった剣を試してみます、剣を持つと何となく火の玉が切れるのか。


 剣を持ってメイジへ突っ込んだ、飛んで来た火の玉を切ってメイジに接近した、メイジも一撃で終わり、戦士は後ろから攻撃してこちらも一撃でお終い。


「なんとか終わりましたね」


「・・・・」


「ゴンちゃん魔石拾って来たって」


「レイ君、いつからあんなに剣捌きうまくなったの」


「いつも地下四階での修練の結果ですよ」


「それより、メイジの火の玉切らなかったですか」


「逃げ無かったのアニスとサンドラ」


「しっかり隠れてましたよ」


「盾を出す準備はしてましたが出す必要は有りませんでした」


「俺の《爆炎》のタイミングは完璧だったと右目が言っている」


「はいはい、わかりました、《爆炎》のタイミングあれより早くても躱される、遅ければ間に合わない、本当に完璧なタイミングだと思うよ」


「そうだろう、そうだろう」


「それより、剣、当たったのですか」


「そうなんだ、ゴブリンメイジの剣を見つけた」


「当たったんですよね」


「そうなんだよ、やっぱりゴブリン戦士の近くにはゴブリンメイジの剣が居た」


「逃げて行ったのは誰だった」


「えー、アドルフでしたよ」


「またあいつらか、でもよく考えるとあいつらに会うと良い事多く無いか」


「良い事ですか」


「最初にあった日には地下三階で宝箱見つけた、次に会った時はコボルトか集団で魔石持ってきた、そして今回だ、どお思う」


「ラッキーと言えない事も含まれていますが、良く考えると多いですね」


「あいつが幸運の女神だと嫌だな」


「あいつ男だし、女神じゃないし」


「そうですね、偶然でしょうか」


「俺はラッキーボーイに認定しても良いと思っている」


「一緒に行動するとか、同じパーティに誘うのですか」


「それだとラッキーボーイがいつも居るので駄目だろう」


「また会うのを楽しみにする程度が良いんじゃないか」


「正確にはほぼ毎日どこかでチラッとは見かけますよ」


「そうなのか、レイ」


「私が要注意人物の顔を見間違うはずありません」


「あいつらレイの要注意人物リスト入りしているの」


「最初にアニス達を勧誘に来た時からリスト入り確定です」


「そういう事ならば結構な頻度で会っているですね」


「私達も知りませんでした」


「遠くに居たりしますので気にしなければ気づかないです」


 一応、俺の中ではラッキーボーイに認定しますアドルフ君。



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