第14話 3年目突入
地下四階、ウルフの階の最後の一本を探してる。
最後の一本はグレーダーウルフだ、試した本数は500本を超えたが当たりが出ない。
グレーダウルフは剣が無くてもみんなで倒せる、今はこの階でレベル上げと戦闘訓練をしている、グレーダウルフの剣をパスして下に行くという手もあるが結局この階を通るスピードが落ちてしまう。
この階で遭遇する確率の高いグレーダウルフは剣が無いと戦闘に時間が掛かり先へ進む時間がこれからもっと掛かる、500本まで来たのだから1000本まで行く覚悟が必要なのか?
「私、レベル上がりました」とサンドラが報告して来た。
「とうとうレベル20に成ったか」
「三年でレベル20は早いの、遅いの」とレイが聞いて来た。
「Aだと先輩に付いて行ってる人はもっと早いし、自分たちでレベル上げしている所はもっと遅いと思うぞ」
「レベル50を超えたらもっと下の階でないとレベルが上がらなくなるけどな、この一年、ゴンはレベル51のままだ、レベルが50を超えたら地下10階より下に行かないとレベル上がらなくなるからな」
「みんなは、違うパーティに行きたいとか無いのか、それとアニス達はAのパーティに復帰しなくて良いのか」
「私達はこのままこのパーティに居たいと思っています、Aの人達はいつでも戻って来ても良いとは言ってくれていますがやはり、歳の離れた年上ばかりのパーテイは何かと遠慮が多くて精神的に厳しいのでここでお願いしたいです」とアニスが困った顔で言った。
「そうか、Aに戻った方が良いと判断したら帰っても良いからな」
「わかりました」
「お前達はどうなんだ」
「俺たちは何処へも行けない余り者ですよ」とレイが答えた。
「ゴンは違うだろう」
「・・・・・」
「Sに成ったら別のパーティだと辛いか」
「そうだな、俺たちもゴンが居ないと色々辛いから良いんだけど本当に良いんだな」
「・・」
「レベル20に成ったのだから何かスキルは増えてないのか」
「スキルは増えて居ないです、回復魔法が《ヒール》以外に《キュアー》も使える様になりました、それと《ヒール》のレベルが2に成りました」
「《ヒール》ってレベルあるの」
「魔法にはレベルのある魔法とレベルが上がると別の魔法を覚えるのが有りますが
「右目は良いとして、そうなんだ」
「どんな感じなのか使って見るしか無いですね」
「・・・・・」
「ゴン、何」
「・・・ ・」
「ゴンも限界突破がレベルⅡだって」
「何か変わった」
「・・・・」
「何も変わらないってか」
「・・・・」
「次はレベル100に何か変化するので言って無かった」
「そうなの、レベルⅡになっても今までと何も変わらないみたいですって」
「ゴンのレベルⅡは確認できないか、サンドラのレベルⅡは色々試したいが俺達基本ケガしないからな、どうする」
「《キュアー》は地下六階へ行く時には必要で、これでお金を節約できます」
「地下六階には毒持ちの魔物どもが居るからな」
何かレイさんが嬉しそうなんですがお金ですか、お金を節約出来るのでうれしいのですね。
「魔法を使える回数はどうやって管理しているの」
「私は右目が教えてくれる」
「私は今は《ヒール》の回数と時間ですね」とサンドラが言ったがそんな管理なんだ。
「レベルが20に成ったので再度回数の確認は必要です」
「ダンジョン内で行うのか」
「《ヒール》は地上の治療院に行ってやらせて貰っています」
「具合の悪くなるまで《ヒール》して回数を数えます」
「魔力切れになるまで行うって事ですか」
「それの一歩手前です」
「今は何回まで行けるの」
「20回でした、大体レベルと同じ回数です」
「《キュアー》の回数も調べられるのかな」
「《キュアー》の回数は調べるのは地上では難しいかも知れません」
「一回か二回はどうなの」
「それくらいの需要はあると思います」
「一回か
「それで調べられますね、今度の休みの日に調べてみます」
「休みの日でなくても俺たちと別行動でも良いぞ」
「そうですか・・・、別行動しますね」
「私はサンドラが倒れたら心配だから付いて行くからね」
「じゃ、私も」とレイが言ったら、「俺も」とバースも言った。
「男どもは要らないから」とアニスがこちらを睨んでいる。
「明日から俺達四人でダンジョンだ、懐かしいな」と俺は空気を変える。
「確認は二・三日で終わると思いますので夕食の時に毎日報告しますね」
「俺達は地下四階でウルフさんと遊んでるよ」
「アニスはまだレベル19なんだよな」
「そうなんです、私とサンドラは同じパーティに居ましたから私の方が先にレベルが上がるはずなんです、どうしてお休みの多いサンドラが先なんですか」
「俺たちにわかるはず無いだろう」
帰りに地下三階でコボルトを討伐していた時に
「私も上がりましたレベル20に成りました」
「何か変わったのですか」
「新しいスキルが出ました」
「何ですか」
「《罠》です、罠が有ったときに察知出来るみたいです」
「今までの嫌な感じとどう違うの?」
「罠が無いので解りません」
「そうですよね」
「現状、あまり必要のないスキルかもしれませんね」
「そんな事無いです」
「罠が有ったときに確認しましょう」
「とうとう、レベル20に成りましたね」
「そうですね、先程は言っていませんでしたが《罠》は罠の設置・解除・感知が出来ます」とアニスがサンドラに報告した。
「どうして言わなかったのですか」
「罠の解除までは罠の有ったときに説明する予定ですが、罠設置は危険視されます、我々の防衛のためにこれは使う予定です」
「そうですか、よろしくお願いしますね」
「今作れる罠はつまづく程度のものしか作れませんが部屋の入口に設置してつまずいた先に何か置いて置けば時間稼ぎや警報がわりにはなると思います」
「この程度のドアは簡単に入って来れそうですものね」
「私の方もあのスキルがⅡに成りました」
「ⅡになるとON・OFF出来る様になりました」
「OFFに出来るんですか」
「OFFにするとアニスの身が危険になるかも知れません」
「これで普通の生活です、良いのでは有りませんか」
「そうですね、寝ている間とかだけONにしてみますか、何の守りも無くOFFにするのは少し勇気が要ります」
「《ヒールⅡ》は一日30回使えると《キュアー》だけ使えば20回使えるのか」
サンドラが治療院での活動報告で確認したことを報告された。
「《ヒールⅡ》は魔力の消費量が減って《キュアー》は元々の《ヒール》と同じ魔力消費量という事ですね」
「切られて毒が入った場合は《キュアー》してから《ヒール》ですか」
「それの方が効率がいいって聞きました、逆だと傷が完全に治らない事もあるそうです」
「後は《キュアー》の毒消しの効果が毒・猛毒・劇毒と有りますが全部有効かどうかですね」
「地下六階に猛毒や劇毒持ちが居るのですか」
「地下六階には居るはずです」
「地下六階へ入った時に再確認ですね」
「なんか、気が早く無いか」
「まだ地下五階にも入っていない時点で話す事ではないか」
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