第13話 二年11か月

 昨日、サリバンさんと話し込んでしまった。たまには日替わり定食を食べてみるか。


あれから日替わり定食ブームが来てしばらくは何日かに一回は日替わり定食を食べているが当たりの日は無い、他のメンバーも日替わり定食を食べる日が有る、アニスとサンドラは全勝・バースとレイ・ゴンは三回に一回位当たりがある。


 何で俺だけ当たりが無い・・・、最初に食事を選択するのが俺で最後に選択するのがサンドラだからでサンドラはいつもアニスと一緒の物を頼んでいる結果だ、アニスが運系のスキル持ちかと思ってしまうが自分の事に運使わないよな。

 

 地下四階での戦闘訓練も一段落した、四人のフォーメーションが安定して来た、レイの攻撃力は安定しないが、攻撃順番や魔物との間の取り方、退避の仕方など総合的にはもうブラックウルフでも安定して倒せる様になった、レベルも20に近づいている事も原因ではあるが次の階へ行っても問題ないレベルになりつつある。


 問題は俺の剣が当たらない・・・5か月目に突入した。1000本の半分に迫る本数は試したが当たらない、もうぼちぼち来てください神様・仏様、前に11か月は耐えられると言いましたが耐えられないです、何と言っても後一月で三年目に突入します。


 最近何だか、剣術が判って来た、毎日毎日コボルトとウルフとゴブリンを倒していたが剣に使われていただけで自分では剣術が何かも解っていなかった。


 みんなの戦闘訓練を見ていて体の動かし方、剣の振り方、間合いの取り方、足捌き等の何が良くて何が駄目なのかはっきり見えて来た、みんなはどうなんだろうもう少しでレベル20に成れば一人前の探索者と言われる。


 AとSはレべル20を超えると新しいスキルが発生する事が有る、剣の当たりが出ないが最近それがモチベーションになっている。

 

 いまはサンドラの調子が良く今月のお休みは無かった、今の所、週一の休み以外に休むことは無くなった。


 気を使って女の子特有の物なら不定期になったら辛いだろうから休みを多くするかと言ったら違いますので大丈夫ですとアニスに言われた。


 本人はうつ向いままだったので気まずかった、完全に地雷を踏みぬいた、危険物を掘り起こして爆破させてしまった。


 もう数週で新人が来る季節になった。


「今日はホーンウルフですね」


「いつもの様に最初に会った魔物で試しますか」


「そうだよな、こいつもあたりは無いがグレーダウルフの1/10しか遭遇しない、居る場所も特定の場所で無いのでこの広い草原を探すとなると次はもっと大変だよな」


 本日の三本目で消えた・・・・。


「当たりだホーンウルフが先に当たった、ヤッター!!!」


「本当にホーンウルフだったの」と空気を読まないアニスが言った。


「ホーンウルフは間違いありません」


「ホーンウルフとグレーダウルフを間違う奴は居ないと思うぞ、角も有ったからな」


 グレーダウルフは試した本数は400本を超えているのに当たらない、ホーンウルフに試した本数は50本くらいで当たった、番号は何も関連が無い様に思えるがブラックウルフ・ランドウルフには近い番号だ、グレーダウルフだけは何処にあるか検討もつかない。


「牛ですか。牛食べに行きますよね右目が食べに行けと言っている」


「バースが壊れた」


「・・・・」


「シャンケンは無しな、それと前回食べたしゃぶしゃぶは除くぞ」


「・・・・」


「すき焼きですか」


「ステーキですね」


「牛のハンバーグでも良いですよ」


「レイどうだ」


「資金は当たりがしばらく無かったので溜っています」


「あなた達どおしたの、何か壊れてるよ、しっかりして」


「アニスとサンドラは初めてだったな」


「剣の当たりが出たら牛を食べに行ってる、前回はランドウルフの時に行ったがお前達は居なかったよな」


「私達が来る前だった」


「俺達も少しは探索者らしくなってきた、今回は何を食べに行くかだが、何で決める」


「三種類の中でどおしても食べたいものがある人は三人か」


「アニスはどれでも良いのか」


「私はどれでも良いわよ」


「それでは目をつぶって手を挙げて最後にアニスに結果発表して貰うか」


「同点に成ったらどうするの」


「アニスが決めてくれ」


 あっさり決まった、最初にすき焼きと言ったレイ・それに賛成したゴンとサンドラですき焼きを食べに行く事に決まった。


 牛のすき焼き屋は売店の所にある食堂でちよっとお高いが資金の魔石を貯めていたので十分あるはず。


 


「今頃キャンセルの連絡か、何考えているんだ」


「ダンジョンから戻って無いので仕方ありませんよ」


「今度はダンジョンから出て休みの日に予約すれよ」


 店の中から不機嫌そうな声が聞こえて来た・・・、入るの辞めるか?


 中に入ると、この前の先輩だ、もう食べ終わって帰る所ですかね。


「すみません、予約して居ないんですが予約しないと駄目ですか」


「予約しないと駄目だ」


 <バッコーン>と店長と思われる人物をて店員が殴った。


 (お前殴ることは無いだろう)(拾う神が来てくれたよ)


「すみません、今、食べますよね」


「これから食べたいのですが無理でしたら別の日に予約してまた来ます」


「大丈夫ですよ、どうぞ、どうぞ」


 今日はすき焼きを腹いっぱい食べた、牛オンリーだったが思っていたほど高く無かった、満足、満足。


 支払いの時に今日は特別サービスとか言っていた、何か良い事が有ったのだろうか。


 俺達は満足して家に帰ったよ。



「何!!!!キャンセルをキャンセルしたいって、何言ってるんだ!!」


「予約を復活してくれって、もう出来ないぞ」


「どうなるか覚悟すれってか」


「お前達、西の者達だよな、西のボスもうちのお得意様だが、そんな事お前達、言って良いのか」


「解れば良いんだ、今度予約はダンジョン出てから前日までにすれよ」


「どおする、アドルフ」


「地下五階まで行って帰りが遅くなったらキャンセルをして貰う様に先輩にお願いしたら予定時間より早くキャンセルされて・・・」


「キャンセルどうするかで悩んでいたら、先輩が軽く休みだからおれがしてやるって言ってくれて、いい先輩だと思っていたのですが」


「キャンセル出来るからあの店を頼めって言ったの先輩だし、大丈夫と思ってお願いしたのに」


「それでどうする」


「牛食べたたいので、棟の食堂で牛食べますか」


「それしか無いよな」


「今日は牛のステーキをお願いします」


「何か良い事有ったのか」


「地下五階突入記念です」


「そうか・そうか」


「帰って来たな」


「先輩、食事はまだでした」


「俺達もこれからだ、一緒に食うか」


「・・・・・」


「どうなんだ」


「御一緒させていただきます」


「美味しかったな牛」


「先輩、俺達一切れしか食べてませんよ」


「地下五階に入れたのは俺たちの力があったからだよな」


「そうですが」


「それなら俺たちに感謝するよな」


「感謝しています」


「それなら俺たちが牛喰っても良いよな」


「はい、わかりました」


「わかれば良いんだ・わかれば良いんだぞ」



「魔石ここに置きますね」


「最近、良い事があったのかすき焼き食いに行っただろう」


「剣が1本見つかりました」


「何本目だ」


「八本目です」


「三年で八本か」


「そうですね、1本あたり五か月か五か月あると試せるのは450本位だからそのくらいか」


「同種の魔物の剣が近くにあるという感じなので、一本見つけたらその周りの番号を試しているので当たりが早くなっています。

 ウルフの最後のグレーダウルフは何処にある解らないので6か月を超えて、何か月になるのか解りませんよ」


「地下四階でのメンバーの戦闘訓練はどうなんだ」


「四階のウルフ一匹ですと十分ですね」


「俺も最近は普通の剣でも地下三階では戦える様になってきたので、地力もついて来たと思いますよ」


「そんな事もしているのか」


「なんだか毎日毎日コボルトを倒していたら何となくいつもの剣を持たなくても体の動きが出来る様になって、最近は自分の動きが大分良くになりました」


「毎日同じ動作を繰り返していたら体が覚えたのか」


「そうなんですか、俺にはわかりません」


「剣の達人の言葉で「考えて体が動くのは凡人、考えなくても体が動くのが達人」という言葉があるぞ」


「そうですね、俺は《千剣》を持っている時は考えても考えなくても勝手に体が動いて一撃で魔物を倒すという感じです、決めているのは倒す順番でそれすらも勝手に決められて体が動くと思う時があります」


「コボルトの薄暗い洞窟の中でも明るい草原でも同じで、まだ無いですが暗闇の中に対象の魔物が居ても一緒だと確信しています」


「魔法が飛んで来た時はどうなんだろうな」


「魔物の魔法が飛んで来るのですか」


「地下五階からは飛んで来るぞ調べたよな」


「ずっと地下四階にいるので調べていませんでした」


 また資料室へ行って地下五階の地形や魔物調べないとだな、皆で行くか、無理だよな調べには行かないよなあいつら、でもレイは一度見た資料は全部覚えてるんだよな。


 


 

 


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世界は俺たちが救う・・・かも。 @kumaGG

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