第7話
「魔石拾って階段まで戻るぞ・・・」と俺は全員に声を掛けたが女子二人が反応しない。
「そこ、ボーとしないで階段まで早く帰るぞ」
「えーと今までもだけど、今のは何、普通の戦闘してました」
「俺たちは俺のスキル「千剣」を探しにダンジョンに入っている」
「さっき三回、剣を交換しただろう」
「そうなの」
「そうなんだ、当たりの剣だと一撃で魔物を倒す事が出来るがハズレはダメージ無効だ、魔物は皆に倒してもらう」
「それって魔物一種類に一本剣が必要なの」
「正解」
「それってすごく強いよね、当たれば」
「そういう事ですが中々当たらない、今は994本の中から一本を見つけています」
「駄目な場合は再度出来るんですよね」
「一日3本までな」
「994本試すのに331日かかる、約11か月ですよね」
「それはあくまで最後までハズレだとな、今は平均五か月位に一本だな、最近当たりが有ったので次は五か月後かな、当たる時は次々に当たりが来る時もある、当たらなくて七か月目に突入した時もあるから」
「今解っているのは、地下九階までの魔物は24種類ブラス3くらいなのであと10年位で到達できる予定で地下十階からは情報が無い想定では15階で終わりという人と地下20階まであるという人がいるので解らないが20年以内にここから出る事を考えている」
「SはレベルMaxになった人は居ないって聞いたけど、ここを出れるの?」
「俺たちはこのダンジョン踏破を目標にしている」
「そんなこと出来ないです、いままでこのダンジョンを踏破した人は居ません」
「やるまえから諦めない」
「そういう事で毎日コツコツとやっております」
「それでは外へ帰りますよ」
「真っすぐ帰るのですか」
「横道探査も日課にしているので地下三階の横道探査です」
「また、フォーメーションAですか」
「そうだ」
階段の所で何組かのパーティとすれ違った、もっと下に行くグループだ。
いつも会うパーティだかガラの悪い連中もいて、女の子二人をじろじろ見ている。
面倒は無しでお願いします、さすがにもっと下に行くパーテイは絡んでは来ないですよね、俺が一人で地下三階を無双しているのは知っているので暴力では来ないと思いますが、本当は強くないのでお願いしますよ。
ボス部屋にはボスは復活していなかった。上がりの階段は下から誰か来るのではないかと生きた心地がしなかった。
地下三階の枝道に入ってコボルトと戦闘をして終わった時に
「誰かこちらに来ますよ」
「止まって臨戦態勢、防護体制、女の子は中心へ」
「いたいた、どうして俺たちとパーティ組んでくれないんだ」
「どちら様でしょうか、俺たちは一度も申し込まれていないと思いますが」
「お前たちではない、アニスとサンドラだ」
「年上のA級グループと行動しているのは仕方ないが、そこのSと一緒にダンジョンに入るならば俺たちと一緒でも良いのではないか、むしろ、おれたちと一緒の方が良いと思うぞ」
「この人たちはまだ地下三階てうろうろしているんだよな、俺たちはもう三人で地下四階に行ける様になった、お前たちが加われはすぐ地下五階にすぐ行ける様になる」
「私達はまだA級のパーティを抜けた訳では有りませんから帰ってください」とアニスが答えた。
「そんなこと言って良いのか、ここは地下三階の枝道の奥だぞ、どうなっても良いんだな」
「どういう事だ」
チョット危険になってた来た。
「ここから帰れなくなるって事さ」
「お前らは帰れるのか」
「帰れるさ」と言いながら俺達を見てニヤニヤしている。
「横道から3匹来ます」とバースが警告した。
横道から三匹コボルトが出て来た、話している俺たちの真ん中へ出て来たどっちに行く・・・、あっちに行ったがちょっとムシャクシャしているので三匹まとめて後ろから始末した。
相手はこちらを見ていたがコボルトを倒すスピード、一撃の威力を見て少し下がった?
「戦うのは良いが俺のスキルは「一撃必殺」だからな、剣が体に当たったらは死ぬ覚悟は出来ているんだよな、このスキル手加減は出来ないぞ」
「ひー、戦うなんて言ってませんよ、それでは失礼しました」と言うが早いか脱兎のように逃げて行った。
「スキル「一撃必殺」だったんですか」とアニスが聞いて来た。
「階段での説明何を聞いてた?俺のスキルは「千剣」で当たりの剣だと一撃必殺だぞ、あいつらには、端折って説明したがな」
「対人用の剣もあるのですか」
「無いよ、試してないので解らない」
「そうなんですね」とがっかりしている。
怖い事聞く忍者だな。
横道の奥の横に小さな部屋がある、ここまで来ると今日も終わったという感じがするがそこの部屋に小箱がある・・・。
「宝箱だ!!」
「待ってください」と忍者のアニスに強い口調で止められた。
俺はもう一歩で部屋に入ろうとしていたが止まった、どうした、何だ。
「何か変な感じがします」
「バースは感じるの」
「そうですね、右目がうずきますね、待ってくださいよく見ますので」
「私も見て良いか」
「お願いします」
「これが罠ですか」
「下の階で見た罠に似ていますね」
「宝箱の手前ですよね」
「宝箱の正面1mくらいの所ですね」
「どうしたたら良いと思いますか」
「なにか投げてぶつけて見るってのはどうですか」
「何か投げる物はありますか」
皆はレイの方を向いた。
「僕のアイテムボックスには何も入って居ませんよ」
「本当か、少しも無いのか」
「ゴミは有りますが少し重い物ですよね」
「ゴンの使っていた壊れた剣・隣のおばちゃんの要らない庭石・アランが壊した食堂の椅子・渡し損ねた花束とか有りますよ」
「入口から投げれるものはどれだ」
「庭石以外は可能です」
「どれが良い」
「重さから行くと、壊れた剣で大きさから行くと壊した椅子ですかね」
「二人で二個投げるというのはどうですか」
「ゴンと誰が投げる」
「アランしか、いないよ」
「自分のは自分で投げるか」
罠の有りそうな所へ投げたが反応は無かった、どうする。
「あのー、下の階では解らない罠や解除出来ない罠は魔法で遠距離から破壊してましたよ」
「投げる前に言ってよ」
「私の右目の出番ですね」
「破壊尽くせ《爆炎》」
ファイアーポールが飛んでいって壊れた剣と壊れた椅子に当たって火が上がった。
いつも《爆炎》とは言っているが絶対にファイアーボールだよな。
「確認します」
「右目のうずきが無くなったので罠は消えた」
「そうですね、怪しい感じは無くなりました」
「宝箱を誰が開ける」
「私は怖いので辞退します」とサンドラが言った。
「私も開けて良いのですか」とアニスが言った。
「順番を今回決めて開けれなかった人で次回開ける人を決めて行くルールで良いかな」
「それでもサンドラは参加しない」
「私は一番後で良いです」
「そうか」
「何で決める」
「レイ書く物ある有るか」
「今日は無いです」
「くじは」
「それも無いです」
「どうする」
「どうしてジャンケンにしないの」
「ジャンケンにすると本気のゴンには誰もかなわない」
「ジャンケンですよね」
「そうだジャンケンだ」
「ゴン本気でアニスとジャンケンして」と俺が言った。
「アニスが勝ったら、今回宝箱開けても良いから」
「三回勝負初め」
「えーどおして勝てないの不思議」
「最初の説明会でも教えてくれない事だぞ、下へ行く冒険者とし一緒に行ったと思うが何か揉めて決める時ジャンケンしてたか」
「普通にしてましたよ」
「お前たちともジャンケンしてたか」
「考えるとして無かったかも知れません、そんな事になる機会は少なかったので覚えていません」
「この二つのヒントからから解る事は何ーんだ」
「いじわる」
「私は解りました」とサンドラが言った。
「レベルですね」
「正解、他にも戦闘経験とかもあるかも知れないが今ここでレベルが一番高いのはゴンだ、レベル51になっている走るのは50mは三秒だ、レベルが上がると肉体の能力も上がるから俺らと同じ反射速度で無くなる、だから身体を使うことでは今は勝てないぞ」
「あの良いですか」
「何ですかサンドラさん」
「私が一番最後が決まっているので他の皆さんは目を閉じてジャンケンすれば良いのでは有りませんか」
「それはやった事が無いがそれでいいか」
目を閉じてジャンケンする今度はバースとアニスが残った、ふたりのジャンケンを見ていると二人は目を閉じているが「ジャンケンポン」と言われて出さない・・あれ何か変だぞ。
バースとアニスってバースは魔力探査を魔眼で見れてある程度の形も判別できる、アニスは先程の罠の時になにか嫌な感じって言っていたので漠然とではあるが嫌な感じが解るとすると先に出している人に対して何を出せば嫌な感じで無くなるのかで判断してるのか。
「バースとアニスさん何かスキルを使っていませんか」
「俺の右目は何でも知っているだけだ」
「嫌な感じに従っているだけでスキルではありません」
これって困った・・・。
こういう事に使うと忍者の嫌な感じという漠然としたものが最強かも知れない、なんにでも応用が利く、どこのパーティに参加するかにも使える・・・それで俺たちの所へ来たのか俺たちは嫌な感じがしないのか?
「最後の二人は目を開けてジャンケンで遅く出したら負け、審判はゴン」
「ジャンケンポン」
「勝ったのはアニスか」
勝負する前から次何を出したら嫌な感じか解るのか?解るのであれば未来視に近いものがある。
ダンジョンの中でどちらに行ったら良いか迷う時や俺が何番の剣にするかも解るのか明日試してみよう。
俺はこの時こんな事を考えていた、真実は別の所に在るとは思わなかった。
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