第5話

「この間、三階で新人助けたってな」


サリバンさんの所に来ているが情報が早い。


「誰に聞いたんですか、たまたま帰りに通ったら居ただけですよ」


「そうなのか、まそういう事にしておくか」


「何ですかそれ、気持ち悪いー」


「馬鹿もん、誉めているんだぞ」


「通り道で魔物と戦って時間が掛かっています、倒して通る方が早い場合戦いが終わるまで待ちますか、誰もそんなことしないですよねサクッ倒せる人は」


「まー、そうだな、用事も無いのに横道の奥の小部屋には行かないと思うぞ」


「なんでそこまで知っているのですか」


「それは秘密だ」


「今週の魔石分ここに置いて行きますね」


「いつも済まないね」


「サリバンさんとはダンジョンで合いませんがいつ入っているのですか」


「毎日行っているがみんなもノルマが終わって残った物を持って来るから月末はここに居ることが多いかな」


「そうなんですね」


「俺のスキルは夜型なんで夜の方が都合が良いんだ」


「夜型のスキルってあるんですか」


「ま、秘密だが教えてほしいか」


「はい」


「情報料は魔石100Gだな」


「そんな情報知ら無くても生きていけますので要りません」


「そうか、聞きたい事があったら有料情報は魔石と交換だ」


「当たる、占い師は居ませんか」


「当たる占い師ってレベルの高い占い師だよな」


「知ってはいるが、占ってもらうのは無理だと思うぞ」


「どうしてですか」


「外からもお客が来るからな」


「塀の外から来るのですか」


「そうだ、特例で外に出すって話が有ったくらいだ」


「本人は何処に住んでも一緒なのでここに住み続けると言っている」


「自分の事も占えるのですか」


「占い師や運に関するスキルは自分に利益をもたらす事があると変わると言われているからなるべく今の生活を壊さない様に少しづつ周りも良い生活にしていくと聞いたぞ」


「お客が大金を持って来ても受け取れないらしいから、ここの生活向上に依頼主から寄付してもらって全体的に良くしないと駄目らしい」


「自分の生活水準と俺たちの生活水準が離れすぎると駄目という事ですか」


「そうらしい、今まで何人も優秀な占い師が突然当たらなくなるのはそのためらしいぞ」


「あと豪運の持ち主も自分のために使ったり、賭け事で使うと運が悪い方に傾くらしい」


「自分の為に使えないスキルって意味有るのですか」


「何か意味は有るのだろう」


「豪運ってオン・オフ出来るんですか」


「出来ないみたいだな、だから普段から賭け事や強い望みを持たないらしいぞ」


「普通に生活しても偶然良い事に合う確率も高いが豪運は悪い事が起きる事も多いと言われている」


「このスキルの持ち主はスキルを持っている事を言わないそうだ」


「パーティの幸運の女神にも死神にもなるからですか」


「そうだと思うぞ、周りで起きたことがすべて自分が居たために起きたと思って精神を病む者も居るからな」


「貴重なスキルも大変ですね」


「どんなスキルにもいい面と悪い面が有るからな」


「お前のスキルもだろう」


「まそうですけど自分の一部なのでもう一生付き合っていくだけです」


「そう考えられる奴は少ないと思うぞ」


「あとは何も考えていない奴かだな」


「そうですね、内には二人も居ます」


「それは大変だな」


「気楽で良いですけどね」



「今年のA級の女子はどうなりました」


「古いA級の方で面倒見ると思う」


「そうですか、よろしくお願いします」


「A級の都合で駄目なときはお前らでも良いよな、どうせメンバー空いてるんだろう」


「空いては居ますが俺らはみんな少し特殊なのでどうですかね」


「まだレベルが低いから三・四階が良いんじゃないかな、無理に下に行くと泊りも有るから女の子には辛いと思うぞ」


 どこにパーティ行くかは彼女達の意思を尊重したいと思う、俺以外は女の子が来る事は賛成しているので問題はないが、どうしたものか。


「また来ます」


「忙しかったら来るのは月一でも良いんだぞ」


「ここに来るのは苦にしていませんのでまた来ます、どうせもっと下へ行くように成れば自然と月一に成りますよ」


「そこまで何年掛かるかかだな」


「すぐそうなりますよ」


 このままのペースだと一階につき一年かもしれない、当面の目標の地下10階まで何年で行けるかだ、剣の種類は確定で26本、噂のモンスターを入れると28本必要だ。



「次の剣、これもダメだ」


「ランドウルフを倒しても良いぞ」


「待ってました、今日は俺の番ですから先ぼどから右目のうずきが止まらない、燃やし尽くせ《爆炎》」


 ファイアーボールが飛んで行ってランドウルフに当たった、ランドウルフが丸焦げになって消えた。


「何か威力上がってないか」


「最近レベルが12になりました」


「もう12になったのか、二か月前は10とか言ってなかったか」


「あれ、皆も12ですよね」


「俺はまだ11」


「私は12になっているよ」


「何で俺だけ11何んだ !! 」


「大きな声を出すと魔物が寄ってきますよ」


「最初の三か月の差ですね、アラン君ポッチだったじゃないですか」


「俺だって毎日スライム倒してたぞ」


「その時私達はゴブリン倒してましたから」


「もしかして、これって一緒のパーティだからいつも上がる順番は一緒か」


「そうなりますね」


「魔物を一番倒しているのに俺がいつも最後にレベルアップするって事か」


「今頃気が付いたのですか」


「お前らは初めっから知っていたのか」


「予想はしていましたよ」


 気楽で何も考えていなかったのは俺だった。


 帰りにコボルトを討伐して帰ったがボス部屋にボスは居ない、帰りは居る時と居ない時があるが再リポップは一時間なので誰か倒していれば居ない、地下四階に行ってウルフ一匹しか戦わないので地下三階に真っすぐ帰ると帰りのボス戦はほぼ無い。


 行きは地下四階の入口まではこの辺の階で活動している者の中で一番早いかもしれない、俺たちより早い時間にダンジョンに入る者が居れば一番で無くなるかも知れないが、途中で追い越せないのはもっと下で活動している人達位だ。


 何故か皆は俺たちの後の時間にダンジョンに入り、たまにボス部屋の前で終わるのを待っている人も居るが、ボスを待つのではなく素通りして下へ行く。


 帰りは魔石集めと経験値稼ぎのため地下三階の廃坑仕様の枝道を攻略している。


 地下三階で経験値稼ぎをしている人は少なく、奥の方は人が行かない所なので出て来る魔物も多い、一撃必殺で何も考えなくても戦闘が終わる。


「今までの最高記録、同時に現れたのが六匹だった」


「なに、なに、最高記録って」


「お前たちは俺の戦い見ていないのか」


「見ていても、見ていなくてもすぐ終わるでしょ、そんな事よりも周りを警戒するのがお仕事です」


 警戒しいる様には見えないバースが言った。


「私は魔石の落ちた位置は確認して居ますよ」


 レイさんは魔石集めですが魔石の数から何匹倒したかは判りますよね。


「・・・・」


「ゴンちゃんは見ていたってか、良かったってか、お前だけが俺を解っているな」


「あー、勝手に良い様に解釈した、ゴンちゃん困って居るよ」


「本当は余り見ていなかったってか、まー良いさ」


「枝道の奥に宝箱があるって聞いたことが有りますが噂だけですね」


「地下二階も三階も枝道探査のプロの俺たちが発見できていない物があるとは信じられない、きっとガセネタだな」


「何かあれば右目がうずくんだよな」


「魔力が無い物にはうずきませんので宝箱はうずきませんよ」


「まだ見たことも無いのに解るのか」


「資料に魔力探査では探せないって書いてありました」


「宝箱は有るのか」


「地下十階より下の階では確認されているそうですよ」


「入っている物はダンジョン産の武器・防具・魔道具等です、マジックバックも有るそうですよ」


「うちには人間マジックバックがあるから必要ない」


「マジックバック拾ったらレイが必要なくなるかもな」


「何を言っているのですか《勇気100倍》も有りますよ」


「そのバフにはいつも助けられています」


「わかればよろしい」


 俺の後ろは何とも花畑感いっぱいだが、仕方ないよな戦うのは俺だけだし。


 俺が剣を握っていて寝たらどうなるのだろう勝手体は敵を倒してくれるとかあるのだろうか・・・、それは無いかでも有りそうだが検証は怖くて出来ない。

 

 今日も元気よく地下三階も地下二階の魔物を倒して、倒して、倒す、無双とも言う。


 剣もはずれが出た時は疲れるが魔物を倒していてる間は疲れない、他のパーティのみんなは魔物と戦うの疲れるって言うよな、俺のパーティは疲れない、緊張も何もしていないから当然だ。


 一人で探査しているバースは右目が疲れるって外に出て来たら眼帯してるが本当か?


 

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