第2話
塀の中の隔離施設に来てから世話になっているサリバンさんの所へ来ている。
こちら側に三棟立っている集合住宅の一室で俺達が住んでいる棟の中だ。
「もう二年になったかB級以上は初めからこちら側に住むので大変だったな」
「変な奴らはさっさと居なくなるので大変じゃ無いです、最近はダンジョンの中も年下が居るので少し大変です」
「去年みたいにS ・Aは居ない年も有るのにお前たちみたいにSが三人なんて年は初めてかも知れない」
「いつも言っていますが俺たちは三人居て良かったと思っていますから、おっと今は四人ですけど」
「その四人目がいままでに無かったケースだしな」
「本人は困っているの良かったのか俺たちには解りませんが、俺たちにとっては救いの神です」
「そうだよな、それで何とかなっている感じだよな」
「納品した魔石の余りです、ここに置いて置きますね」
「いつも済まない、感謝している」
「最初は俺たちが支援して貰っていましたので、貰っていた分を今は返しているだけです」
「回りまわって助かる奴もいるからな」
「そうですよね、子供を産む期間位はノルマ外せないのですかね」
「ここから出られない事とそれだけがここの縛りだからな」
「お前たちはここから出るのを目指しているのだろう」
「はい、絶対に出て見せます、それも若いうちに」
「最初は目指しても途中であきらめる奴を見て来た、精神が壊れて行く奴も居た、ほどほどに頑張れよ」
「今日、地下3階のボスまで行きました、まだボスに合う剣を見つけていませんのでしばらくはボスへ通います」
「ボス戦は苦戦するのか」
「ゴンとレイの合わせ技で一撃ですがこれからの為に必要な事なのでやって行きますよ」
「それと二階にゴブリンソルジャーは本当に出るんですか」
「出る情報はあるが稀にしか出ない、出会った者は戦わずに逃げてる」
「追いかけて来ないんですよね」
「横道に居て追いかけて来ない、よほど運が悪く無いと戦わない」
「A級の攻略組の人達はどこまで行ったのですか」
「この前の話だと12階辺りだと思うぞ」
「ここは確か地下15階まであるんですよね」
「そう言われているが最近は確認した記録が無いので本当に地下15階で終わっているかはわからないぞ」
「その先もあるかも知れないんですか」
「王城の偉い学者は地下一階と地下二階の魔物を定期的に討伐していれば階数は増えないし魔物も外に出て来ないと言っているが本当だかどうだか、出て来ないのであればここの周りに高い壁は必要ないと思わないか」
ダンジョンの周りの壁にある魔鋼製の扉を閉めると外へは出られない、ここに住んでいる全員が出られない、扉についてる閂も外側でする閂になってる。
ここに居る者が反乱を起こしても外側から閂を占めて兵糧攻めにすれば良いだけなので反乱も起きない。
「今年の探索者は入って来たのですか」
「今年はSは居ないがA・Bは5人だな、今はC・E級の連中と一緒に行動している」
「半年後ですね」
「そうだな、毎年の事だが俺達が言っても、まだ現実を理解していないからな」
「困ったら来いとは言ってある」
「そうですか、またよろしくお願いします」
「お前らはもう、よろしくお願いされる側だろう」
「まだまだですよ、まだレベルが10に至らない、普通の人に毛が生えた程度ですよ」
「Sはレベルが上がらないよな」
「そうなんです上がらないんですよね」
「特殊スキルはあるだろう」
「有りますが、これがS級のスキルですか」
「お前のは《千剣》だったな」
「千の剣を支配する者ってすごいスキルかと思いましたが、魔物の種類に対応する剣で攻撃したら一撃必殺は凄いですが対象魔物以外はダメージ無効は無いでしょう、それに加えて一日3本しかハズレを認めないって何なんですか、最初のゴブリンの剣を見つけるのに1年かかりました、毎日ハンマーを持って地下一階のスライム退治でした」
「ゴブリンの剣がゴブリン戦士にはダメって時点で心が折れそうになりましたね」
「それからゴブリン戦士の剣を見っけて二階が終わりましたが、ゴブリンの剣の近くのリストにゴブリン戦士の剣が無ければもっと時間は掛かったと思います」
「わかった、わかった、よく解っているから落ち着け」
「今度はボスだからコボルトキングか」
「近くのリストは今回の所当たりませんでしたのでまた地道な事の繰り返しです」
「過去の資料も読んだんだよな」
「穴のあくほど読みましよ、今の所過去と同じ番号の物はありませんが結構ゴブリン戦士とかの近くにあるってのは為になりました」
「まだ昔このスキルに当たって者がいただけましだろう」
「そうですね誰か何番が何か教えてくれるスキル持っている人居ないですか?」
「未来視が出来る奴か」
「過去に居た奴は何秒か先の未来が見えるが時間も数秒で使いどころは博打位だった,後からは博打場には出入り禁止になっていたな」
「数秒早く解るだけですよね、剣の交換も出来ないので使えねー」
「あれでレベルが早く上がれば変わるから結構使えると思うがSだしなー」
「そうなんですよね、レベル上げが問題なんです」
「レベルが二年で10に近いという事は結構順調じゃないのか」
「ゴンが居てくれるおかげですかね」
「Sになったときにはゴンは最速のレベル100だと思うがスキルがな」
「そうなんです、スキルが限界突破だけですからね」
「レベルがMaxになったら突破するんだって」
「そうなんです」
「もう50を超えているんだよな」
「A級の域に入っていますがC級のままにしています」
「自分でレベルの上がるのは確認出来るので、数か月たっても上がらない時は調べる予定です」
「毎日、地下3階まで往復すればもうすぐ上がるはずですから」
「俺はこれで帰ります、下の食堂で飯食って帰ります」
「気を付けて帰れよ」
「建物の中ですから大丈夫です、それにうちにはゴンが居ます」
「この中には変なのも居るからな」
食堂に行くと皆は食事が終わっていた、今日のごはんは何かな。
「また、ウルフのフライか」地下四階に行くと居るウルフはたまに肉お落とす、地下三階まではボス以外は魔石以外あまりアイテムは落とさない。
ここの食堂、毎日がウルフのフライでたまにオークの生姜焼きが出る、牛は食べたことが無いと言ったら、取って来たら出してやると言われている、絶対俺らには無理だと思っているよなあのおやじ。
めしも食ったので宿舎に帰って寝て起きてダンジョンに行くという生活で一週間に一度、余った魔石の半分ををサリバンさんの所へ持って行く生活だ。
コボルト・ボスの所へ来た
「いつも通りで雑魚をかたずけるのでボスの相手をしてくれ」
「了解」
「良いですよ」
「・・」
昨日と同じ戦法で左から行きますか。ここで一匹目が切り付けて来るので躱して一匹目・そのまま次の二匹目と昨日と倒す順番も相手の動きも同じなのでよく見ていなくてもケガする事も無い。
ボス側も一発目はバースの火魔法で次にゴンの攻撃でヘイトをゴンに移して殺さない様に相手している。
今日は昨日占い師に見てもらった番号から行くか115番だったな。
「115番はずれだった、魔石払ったのに」
「前後も確認だな、114番もダメだ」
「116番もダメか」
「畜生、全部外れた、あの占い師、占いスキル持ちって言っていたがレベル聞くの忘れたてた」
「もう良いですか」
「良いぞ」
「勇気100倍」
「バシュー」とコボルトキングが一刀両断された。
「・・・・」
「何だゴン、レベル上がったのか」
「・・」
「そうか判った、ま仕方ないよなA級になっていたんだ、これでレベル51か」
「ゴン、剣はまだ大丈夫か」
「・・・・・」
「まだ大丈夫だな、折れそうなら予備と交換すれよ」
現実はこんなもんだ、限界をゴンは突破してA級の領域に入っていた事が判明した、これで俺達はここを出るまで一緒だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます