第9話:闇の取引、復讐の契約締結
誰が御姉様を殺したのか、十分な証拠が集まりました。
御姉様を蘇らせる貴重な素材を集める必要がなければ、誰に憚ることなく、黒幕も実行犯も皆殺しにできます。
ですが、腹立たしい事ですが、今はまだアンドレアの許可が必要です。
愚かで憶病な奴ですが、あれでも長年公爵家の当主をやっています。
長年地下牢で生きてきた私にはない伝手があるのです。
「殺してもよろしいですね?」
「……証拠が薄い」
「この者の証言だけでは足らないというのですか?
それともルディーニ公爵ジューリオが怖いのですか?」
「ルディーニ公爵の力は利用できる」
「利用できるではなく、利用されている、の間違いでしょう」
「なんだと、わしを馬鹿にしているのか?!」
「馬鹿にする、それでは馬鹿ではないように聞こえますよ。
縁を結ぶために結婚したエンマには不貞をされ、血を分けた娘を殺され、血のつながらないニコーレを養女に迎える話をされても黙って聞く。
憶病者の馬鹿以外の何物でもないでしょう!」
「……殺すぞ」
「殺すなら言葉だけ反抗する私ではなく、実際に兵を向けて敵対してきたジューリオとエンマからでしょう?
ジューリオとエンマは怖くて反抗できないから、私に八つ当たりですか?」
「ジューリオとエンマを先に殺す、ジューリオとエンマを殺したら、次はお前だ!」
「その前に自分の子供を作っておくべきではありませんか?
エンマに毒を盛られて、子供ができないようにされているかもしれませんよ」
「……」
アンドレアと正面から敵対してしまいましたが、仕方ありません。
ジューリオとエンマが御姉様を殺した関係者の一人だと分かった以上、絶対に許しません。
何があっても復讐します!
邪魔をするというのなら、後が苦しくなってもアンドレアを殺すしかありません。
「……お前が魔法を使って殺すのか?」
「魔法というよりは呪いですね。
御姉様の御遺体に付着していたモノは全て呪いの人形に移してあります。
いつでも呪いを発動させることができます。
ですがその前にもっと証言と証拠が欲しいのでしたら、舞踏会を開いて髪や爪を集めてくだされば、呪いで本当のことを話させることもできますよ」
「……分かった、最初にエンマの髪の毛を手に入れる。
呪いをかけてエンマから全てを聞きだす。
聞きだしたら更に強力な呪いをかけて言いなりにできるか?」
「傀儡にしろというのですか?
確かに御姉様が手に入れてくださった魔導書の中にそのような術がありましたね」
「使えるのであろう、もう嘘を吐いても無駄だ、エンマに全部白状させろ!
白状させたら操って、ガイアを殺した連中を舞踏会に呼び出せ!
一度に集めたら疑われるから、何度かに分けて集めればいい。
その時に髪の毛を手に入れて一斉に呪いをかければいい、それで恨みが晴らせる。
その代わりお前はガイアの身代わりを続けるんだ、俺に逆らうな!
逆らうようなそぶりを少しでも見せたら、お前を殺す。
いや、グレタも殺して、ガイアの遺体と並べて嬲り者にするぞ!」
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