色と生きたい

柊ターニャ

色と生きたい

何もない僕のこころはモノクロだからせめてからだは色と生きたい


「白だから余計汚く見えるんです」床に落としたマスクよごめん


募金する前に粗雑に配られた緑の羽根に意味はあるのか


真冬着るジャージの色で決められたオレンジ担当

着任します


旅先の小さなセブンイレブンで黄色いワンピの元カノに会う


二十五時あぜ道にある電柱へゴツンと黒いひかり瞳に


血は青いと思ってた静脈を見る五つの私


「紫は高貴ね」君に言うけれど「政治家殺す毒の色」だと!?


汚くて甘美な色を描いてみるそれなら茶色やっぱり汚い


私の自慢のチャームポイントはピンクの爪とモデルが言った


桃色のクローバーを探してますアイドルたちに嘘なんてない


入浴剤入れた風呂から感じ取る遥か遠くのエメラルドビュー


灰色の箱がうごめく箱根までガタンゴトンは恐怖の音だ


鯖缶にかすかに光る朱色の灯夜食の私に語りかけるの


水色を求めて水を掬ってる水は流転し色を旅する


高貴な色彩は紫、そうなのか!毒にまみれて初めてなれる


灰色の男だ時間泥棒だカシオペイアと一緒に逮捕


色欲は相手の色と交ざる欲よくよく躰合わせて不気味でも心地良い


推しメンのカラーを振りたいサイリウム黒色カラーはどうすりゃいいの?


Q.魂の色は何色ですか

A.君色ですと重ねて言った










  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

色と生きたい 柊ターニャ @misosoup216

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る