第15話

義妹視点


いつからだろう。


 話すのが下手で、いつも何かに疲れるような見るだけで疲れるその子を見てるだけで虐めたくなる。


 そして、クラスメイト私も含めて友達の居ない彼をみんなは煽るようになった。


ーーーーーー


 「ねぇ、お兄ちゃん」


「何?」


「昔さ、」


「うん」


「む」

 

 口が途中で閉じてしまう。聞くのが怖かった。


ーーーーーー


 その日はいつも通り彼を虐めていた。


 もう気絶するまでボコボコにしていた。


 だけど、泣くところは今まで見たことがなかった。


 その日、何もないいつも通り虐めたあの日だけ、彼は泣いていた。


 私達はその光景を楽しんでいた。その日に何があったかも知らずに


ーーーーー


 「??」


「む、む、む」


「何か怒ってるの?」


私はもう彼の強さを知っている。誰よりも優しく、人を守るために、人のために頑張れる彼を、


 あの彼に叫ばれたあの日も、私が苦しんでいたからそれに答えてくれたんだろう。私のために、だから私が謝る彼は怒りをすぐに消して、あのとき一緒に泣いてくれた。


 そうだ、支えるって決めた。だから


 「昔、学校で泣いたことあったよね」


「あぁ、うん」


逃げないって決めたから。聞くんだ。


 「あの時なんで泣いてたの」


「えっ・・・」



 「いや、珍しいしく泣いたと思ったから。それに今の貴方を知っているから、私は」


「・・・」


「教えて」


「・・・」


「教えて!!」


「あの日は、」


お兄ちゃん答えたくなさそうに口を開く。


 「俺の誕生日だったんだ」


「・・・っ」


「だから、その日はお母さんが張り切って」


覚えてる。昔はお兄ちゃん


 「俺の好きなもの入れたからって作ってくれたんだ」


「・・・っ」


「あぁ、でも実際いつも入ってるよ。でもその日は、なんだか泣いちゃって、えっちょっと、ちょっとあぁ、そんな泣く、」


「・・・」


「だから言いたくなかったのに」


 「・・・もしかして、それ潰したの・・・私??」


「・・・そうだったよ。」


「・・・っ」


支えるって聞いたら、私が前に進めると思ってた。けど辛くて、悲しくて、なにもそうはならなかった。


 

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