第11話
甘奈視点
優が作ってくれたご飯は今日もとっても美味しかった。
「どう??美味しい??」
そして、私の顔を覗くように見る。でもその顔は叩かれて後があって
「お、おお、美味しいよ」
「良かった」
それから、無言が続く
どうして、優はここまで優しくしてくれるんだろうか、兄だからとはいえ義理だし、ほんの少し期間しか経ってないのに、
それ以上に私は虐め続けて、大切な母親を奪ってしまった。憎いはずなのに、
どうして
約束したとはいえ、あまりにも割に合わない。
約束した相手だって、奪ったのは私なのに、
「どうしたの?甘寧さん?なんでその、泣いてるの?」
「えっ、あ、その」
どうやら、泣いていたようだ。そして、さらに心配してくれるのがわかる顔をしている。
「優はなんで、私に優しくするの?」
「えっ、妹だから」
即答だった。
何だろう、優の顔を見るとその顔に疑問はなく、きっと心から出た答え何だろうし、既に答えとしては十分嬉しいけど、
やっぱり
「そんなの、私のしたことには合わないよ」
「別に、殺したのは父親だし。酔ってしかたないのもあったし」
一切、嘘偽りのない顔で答えてくる。
「私、沢山虐めたじゃん」
声を少し張り上げてしまった。
「過去のことだし」
軽過ぎる、
「妹になってからも虐めたじゃん」
「それも過去のことだし」
「・・・かこ、かこっそんな簡単にゆるされて言い訳ないじゃない!!」
何様何だ、私
「あんた、母親も失ったのよ、なのにそれも過去って」
やめて、私
「少しは悔しいとか、悲しいとか恨みとかないの」
本当にやめて、もう辛い
「母親のこと本当に大切なの?大切だったら、そんな簡単に過去のなんて切り捨てられないでしょ」
止められなかった、最低過ぎる。何でこんなことを言っちゃったの。
甘寧はさらに言うだけ言って少し冷静になり、優の泣いた顔を見て、
今更自分の止められなく言ってしまったことを後悔した。
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