ホルテンシウス法
長くないし引用します。混乱しないように プレブス(平民) パトリキ(貴族)です。
法律とはポプルス(全市民団)が命じかつ定めるものである。平民会議決とはプレブスが命じかつ定めるものである。ところで、プレブスとポプルスとの相異は次のごとくである。すなわち、ポプルスという名称のもとには、パトリキをも加えた全市民が意味されるが、プレブスという名称のもとには、パトリキを除いた他の市民が意味されるのである。そのためパトリキはかつて、平民会議決はパトリキの権威を除外して作られたものだから自分たちはそれに拘束されぬ、と唱えた。しかしのちにホルテンシウス法が出され、平民会議決が全ポプルスを拘束するように定められた。かくして平民会議決は、このようにして法律と同等のものとされたのである。
解説です。
聖山事件以来、ローマの平民の最も効果的な闘争手段は市外退去であったが、その最後の市外退去によって得たのがこのホルテンシウス法である。この法をもってローマの身分闘争は終結し、民主政を完成したとされているが、それまでにすでに官職の大半は平民に解放されていた。そしてこれらの官職に就任しうるのは平民ノビレスともいうべき階層であった。
したがって、このホルテンシウス法によって、平民会決議が国法となる意義は否定しえないが、平民会が平民ノビレスに支配される事態が生じていた。護民官が平民会を主宰することになっていたが、護民官は平民ノビレスが就任し、あらかじめ元老院で承認を受けて平民会に提案するという方法がとられて平民会は空洞化していたというのが実情であった。ローマが有産階級による支配を維持したことに変化はなかったのである。
平民と言ってもノビレスという有産階級が支配していたのですね。
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