ストア派の哲学
一部を引用します。
「ストア派のいうところでは、自然は、植物にあっても、動物にあっても、変わるところはない。というのは、植物は衝動や感覚なしでもなお自律しうるし、逆にまた我々人間にあっても、植物的な過程が残存する。一方動物は、植物的なものの上に衝動を付与されており、その助けをかりて、自己に近しい(オイケイオン)ものに向っていくのであるが、そうした動物が自然に即した秩序を身につけるのは、衝動に従うことによってである。だがまた、理性的存在(人間)には、より完全な導きとしてロゴス(理性)が与えられており、理性に従って生きることが人間にあっては本当の意味で自然に従うゆえんとなる。理性は衝動の操り手としてその上に立つのだからである。」
解説です。
ゼノン(B.C.335~B.C.263年)は、キプロスの生まれ、アテネのキュニコス派のクラテスに哲学を学び、後にストア派の祖となった。ストア派の名称は、ストア(柱廊)で講義したからと言われる。ヘレニズム時代の風潮は、生き方を模索する傾向があり、ストア派も学問を論理学・自然学・倫理学の三つに分け、そのうち、倫理学を重んじていた。
ストア派では、「自然(ピュシス)に従う」とよくいう。自然は神でもあり、運命・摂理でもある。ヘラクレイトスの系譜をひくストアの徒は、宇宙が火のようなものからなりたっていて、変幻しつつ、永劫回帰すると考える。一種の宿命論がストア派にあるといわれるのは、このためである。ストア派は、人間はすべて神の子であり、同法であると考える。これは、コスモポリタニズムに通じ、ヘレニズム時代の風潮と合致すると共に、ローマ世界の奴隷制批判の思潮ともなった。ローマの哲学者はストア派が多く、ストア的生き方は範とされた。
自然は神で人間は神の子ということは、自然の子? ストア的生き方って何だろう?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます