第7話 理由
凛の家
ピンポーン
「おねーちゃん!おかえ…奏ちゃん家のメイドさん?どうしたの?」
「桜様、お迎えに上がりました。」
「どうゆうこと?取り敢えず、扉開けるね?」
―――――
「―とゆうことがありまして。」
「それで、おねーちゃんは今、大丈夫なの?」
「奏様のお陰で、今は落ち着いたようです。」
「そう…良かった…でも心配!待ってて、今着替取ってくるから!」
―――――
奏の家
「おっ邪魔っしま〜す!」
「ただいま帰りました。」
「おかえり、メイドさん。桜ちゃん連れて来てくれてありがと。桜ちゃんも、一人にしちゃってごめんね。」
「ううん、大丈夫!おねーちゃんは?」
「今は寝てるよ。」
「…ん…」
「あっ凛、起こしちゃった?」
「…膝…枕…」
「落ち着くかなって、嫌だった?」
「…すごい…落ち着く…」
「良かった。メイドさんが桜ちゃん連れてきてくれたよ。」
「桜…ごめんね…今日…家…帰れなくて…」
「大丈夫だよ!前から、奏ちゃんの家広いから、お泊りしたいな〜って思ってたし!」
「そう…なら…良かった」
「桜ちゃん、もうお風呂とご飯は済んだ?」
「お風呂は入ったよ?でもご飯はまだ!おねーちゃんと一緒に食べたかったし!」
「分かった。メイドさん、帰ってきて早々悪いけどご飯用意してもらえる?」
「かしこまりました、すぐにお持ちします。」
「私も手伝う〜!」
―――――
食卓
『いただきます!』
「見て見て!このカレーのにんじん、私が切ったんだよ!」
「すごいね桜ちゃん、すごく美味しいよ。」
「えへへ〜いつもおねーちゃんのお料理のお手伝いしてるからね!」
「奏…あーんして…」
「も~甘えん坊さんなんだから〜はい、口開けて。」あ〜ん
「あ〜ん……美味しい…」もぐもぐ
「良かった。」
「メイドさん、メイドさん。」小声
「何でしょう。」小声
「奏ちゃんとおねーちゃん、すっごいラブラブだね!」小声
「そうですね。」小声
「おねーちゃん、昔はからずっと奏ちゃんの事好きだったっぽいから、良かった。」小声
「奏様も凛様と出会って、変わりました。」小声
「変わった?」小声
「はい。昔はあまり喋りもせず、学校もあまり楽しく無さそうな様子でした。ですが凛様と出会ってからは毎日が楽しそうで、喋る事も増えていきました。」小声
「おねーちゃんも、奏ちゃんと会う前はずっと暗い顔してて…でも、奏ちゃんと会ってからは明るい顔をすることが増えたの!奏ちゃんの話をする時は特に。ちょっと顔赤くしながら、すっごい嬉しそうに話すの!」小声
「そうですか、奏様が凛様に出会って本当に良かったです。」小声
「そうだね!」小声
「二人とも何話してるの〜」
「ううん、なんでもな〜い」ふふっ
―――――
「私はもう寝るけど凛はどうする?」
「奏と一緒に寝る。」
「分かった。じゃあ私の部屋、行こっか。」
「うん。」
「私達、先寝るね〜おやすみ〜」
「奏ちゃんおやすみ〜」
「桜様は私の部屋をお使い下さい。私はソファで寝ますので。」
「だめ!ソファで寝たら、身体痛くなっちゃうよ!メイドさんの部屋で一緒に寝よ?」
「よろしいのですか?」
「うん!もちろん!」
「わかりました、では私達ももう寝ましょうか。」
「うん!」
―――――
夜中
「奏、起きてる?」
「起きてるよ。」
「奏は、何で私が好きになったの?」
「どうしたの?急に。」
「ちょっと気になって。」
「私達、中学の頃に出会ったじゃん?」
「うん、私から話しかけた。」
「そ、私のに話しかけてくる人なんて私の親がお金持ちだから話しかけてくる人ばっかりだったの。でも、凛だけは違った。私の目を見て話してくれた、友達になりたいって言ってくれた。多分その時じゃないかな、私が凛の事好きになったの。自覚はしてなかったけどね。」
「そうなんだ…」
「そうゆう凛は、いつ私の事好きになったの?」
「…奏が、私の事慰めてくれた時。」
「あ~中学の頃、体育のチーム戦で怪我して泣きそうになってた時?」
「そう、私あの時実は痛くて泣きそうになってた訳じゃなくて、本当は私のせいでチームのみんなに迷惑掛けるんじゃないか、とか天才の私が失敗して、みんなに失望されるんじゃないかって思って泣きそうになってたんだ。でも奏に慰めてもらった、ぎゅってしてもらった、そして思ったの。"好き"って、ずっと隣に居たいって。」
「そう、私達出会えて本当に良かったね。」
「うん、良かった。」
「じゃあ、おやすみ。」
「うんおやすみ、また明日。」
――――――――――
《奏の家》
近代建築で大きめの一軒家。家や家具等はほとんど父が用意したもの。学校からは徒歩15分くらい。
《凛の家》
和風建築で小さめの一軒家。テーブルは丸く、座布団に座って食卓を囲む。学校からは徒歩25分くらい。
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