第3話 友達
通学路
「奏は次のテスト大丈夫そ?」
「そこそこかな、ちゃんと勉強してるし。凛は大丈夫?」
「私は大丈夫!なんてったって天・才だからね!」ドヤッ
「さすが凛。また今度勉強見てもらっていい?ちょっと不安な所があってさ。」
「もちろん!今日はバイト無いし、放課後勉強見てあげるよ!」
「ありがと。また頼らせて貰うね。」
「私も奏に助けられてるからね!奏も困ったときはいつでも言ってね!」
「うん。ところで凛はバイトいくつも掛け持ちしてるけど大変じゃない?」
「まあ、少し大変だけど家の為だし、バイトも結構楽しいからね!」
「そう?お金に困ったら少しは貸すよ。」
「だーめ。友達間でお金の貸し借りは絶対NG!奏もそんなんだから他の子達に舐められるんだよ!他の子にお金貸してって言われても絶対貸したらだめだからね!」
「うん、分かった。でも本当に困ったら相談してね?」
「もちろん!奏も心配してくれてありがと!」
教室
「凛〜おはよ〜」
「みんなおはよ〜」
「凛〜ごめんだけど今日放課後、テニスの練習試合、助っ人入ってくれない?一人熱出して来られなくなっちゃって…」
「ごめ〜ん、今日は予定が…」
「大丈夫凛、試合出てあげて。」
「そう?奏がそう言うなら…」
「やっぱり試合出れるよ、場所は?」
「本当?ありがと〜。放課後、体育館でやるからおねが〜い。」
「了解!奏?今日一人で帰れる?」
「凛の試合見てから一緒に帰る。」
「分かった!私活躍するからしっかり見ててね!」
放課後 体育館
「凛!そっちいったよ!」
「任せて!えい!」パンッ
ピーー
―――――
「奏〜終わったよ〜」
「見てたよ凛、お疲れ様。流石だね。」
「それほどでもないよ〜」テレッ
「凛〜助っ人本っ当ありがと!今度何か奢らせて!」
「大丈夫、じゃあ私は先帰るから。行こっか奏」
「うん」コクッ
「ばいば~い!また明日〜」
「うん、また明日!」
―――――
帰宅路
「すっかり遅くなっちゃったね〜ごめんね?待たせて。メイドさんも心配してるだろうし早く帰ろう。」
「大丈夫、メイドさんには連絡してあるから。凛も桜ちゃん、心配してるんじゃないの?」
「私はいつもの事だから、大丈夫。」
「そっか、桜ちゃん元気?」
「うんすっごい元気!朝は毎日起こしてくれるし、ご飯も美味しそうに食べてくれるし!」
「あ!この辺だね!じゃあまた明日!」
「うん、また明日。」
―――――
奏の家
「おかえりなさいませ、お嬢様。」
「ただいま、メイドさん。遅くなってごめんね。」
「いえ、お食事の準備は整っております。」
「いつもありがと、食べるからお風呂準備しといて。」
「かしこまりました。」
「いただきます。」
―――――
「ごちそうさまでした。」
「お風呂の準備は整っております。」
「ありがと、ご飯美味しかったよ。」
―――――
「ふ~さっぱりした」
「じゃあメイドさんまた明日、おやすみ。」
「おやすみなさいませ。」
―――――
凛の家
「おかえり~おねーちゃん!」
「ただいま、桜。」
「ね〜ね〜おねーちゃん!今日学校でね!」
―――――
「桜〜ご飯出来たよ〜」
「わ~い!」
「じゃあ手を合わせて、」
『いただきます!』
―――――
『ごちそうさまでした!』
「じゃあ桜、先お風呂入っておいで。」
「やだ~おねーちゃんと一緒に入る〜!」
「はいはい。分かったから、お皿洗うからちょっと待ってて。」
「はーい!」
――――
「お風呂気持ちよかった〜!」
「よかったね~私少し勉強するから先に寝といてね。」
「分かった〜!おねーちゃん!おやすみ!」
「おやすみ。」
―――――――――――――
《メイドさん》
西条奏の従者、今は奏と二人暮らし料理も掃除も家事ならなんでも完璧。西条財閥の社長、西条龍一は放任主義でありメイドさん一人に奏を任せている。メイドさんは表面上は無表情であまり感情を表に出さないが、実は、身体が弱くて親に放って置かれている奏をかなり心配している。
―――――――――――――
《花咲桜》
花咲凛の妹。無邪気でお姉ちゃんのことが大好き。物心付く前に両親を無くしており、お姉ちゃん一人に育てられた。昔は暗い表情をすることが多かった凛を心配していたが、奏と友達になった事で明るい表情をすることが増え、奏の話をよくする事から、凛が奏に思いを寄せている事を知っている。
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