第36夜


人生の中で

わたしを見つけてくれたこと


ほんとにほんとにありがとう。

最高に幸せです。



子どもたちの手が離れたら、ぽっくり逝くつもりでいた。末っ子が20歳の時、ウチは50歳。

深海のような人生の前半(生まれてから41まで)、段々と海面に浮上して来たような感覚。

41を過ぎて手痛い目に遭ったあと

「どうせ50歳で死ぬんだし、最期の10年は自分の事優先しよう」

と思った。

それでも、それまでの刷り込みが強くてなかなか「自分を優先」する事が出来なかった。

と言うか、『自分がどうしたいか』が分からない状態だった。生まれてから自分が親になるまでは"親の為"、自分が親になってからは"子どもの為"。自分の為に、何かを選択した事がなかった。

選択すら〘 相手がどう思うか〙が根底にあって、『自分がどう思うか』は浮かんですら来なかった。

だから「自分優先!」って決めたは良いけど、いざ実行となると何をしたらいいの?状態。

とりあえず、手痛い目に遭った後にした事は【人間関係の断捨離】。この時は完全に人間不信になっていたと思う。

その直後かな、あれあれ?って感じで繋がったのは。大好きな人は「自分から繋がる気はなかった」って明言してるので、不思議な感じ。

ウチも、繋がりはしたけど個別で繋がる気はなくて。グループで、仲良く出来たらいいな位に考えてた。仲良くなる=話が出来るって考えてたし、何せ大好きな人の第一印象は"人嫌い"だったから。

グループの1人がこんな人だよーって、親切のつもりで教えてくれたけど。尚更何故ウチがグループに入れたのか?しか出てこなかった。

だから、個別で繋がった時も「ホントに良かったのかな?」って思ってた。話すようになってから、ぼんやり「あ、この人の事好きだな」って思うようになった。

その「好き」が、恋愛的なモノになるとは全く思ってなかったけど。

友達になるだけでもハードルが高い人だと思ってたし、そう周りから聞いていたから。

それが今ではベタ惚れです、はい。

50歳でぽっくり逝く→大好きな人より1日だけ長生きする。

ウチは大好きな人にベタ惚れなので、大好きな人が逝ったらきっとすぐに逝く。

「俺より先に死んで欲しくない」って聞いたから、1日だけは余分に生きる。

死ぬまで、じゃない。死んでも、一緒にいる。

初めて自分から好きになった人。

あの時、繋がってくれて嬉しかった。


人生の中で

わたしを見つけてくれたこと


ほんとにほんとにありがとう。

最高に幸せです。

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