猛暑と枝豆
大甘桂箜
第1話
2022年8月のとある猛暑日のことでした。
母が通販で注文した枝豆が冷凍庫の隅で残っていたので、いい加減食べてしまおうと思い立ちました。
せっかくなので、テレビで観たペペロンチーノ枝豆を作ってみよう、と。
用意したのは、冷凍枝豆、オリーブオイル、チューブにんにく、塩胡椒、唐辛子。
枝豆は自然解凍でも食べられるのですが、念のために茹でました。
市販の乾燥した唐辛子を一本袋から出し、種を取り除いて輪切りにするのですが、三角コーナーに捨てようとしたら、手元が狂ってシンクに散らばってしまいました。
後で集めて捨てることにして、取り敢えず本体をキッチン鋏で輪切りにします。
フライパンにオリーブオイル、にんにくと輪切りの唐辛子を入れて熱します。
香りが立つまでに、散らばった唐辛子の種を手で集めて捨てました。
フライパンは香りがでてきたので、茹でた枝豆を投入して絡めます。
最後は塩胡椒で味を整えて出来上がりです。
一口食べたら、ちょっと辛かったのですが、にんにくの香りも良く中毒性のある美味しさで、また次が欲しくなりました。
ですが、何だか額や手がピリピリとしてきました。
キッチンを片付けて手を洗い、額もハンドソープで洗って水で流したのですが、ピリピリは治りません。
それどころか、時間を増すごとに顔中や手の甲にまで広がってきました。
アレルギーの反応が出たのか、でも、花粉症以外にアレルギーはないし、触ったり食べたりしたものはいつも口にしていたり、使ってるものです。
そこではっと思いつき、部屋に戻って「唐辛子」「手」「ピリピリ(ヒリヒリ)」と検索してみました。
見事にヒットしました。
このピリピリは、唐辛子の成分であるカプサイシンの作用であると。
しかも、水で洗い流してはいけない、と書いてあります。
カプサイシンは油溶性なので、水で流すとピリピリを拡散してしまうとのことでした。
対処法としては、オリーブオイルなどの油で触れた部分を擦ってから、石鹸で洗い流すようにした方がいいそうです。
私の場合、唐辛子を触った手で汗を拭ったりしていたので顔につき、それが更にかいた汗で顔中に広がり、手は水で洗い流してしまったので手の甲までピリピリが広がってしまっていたのです。
食用のオリーブオイルを使うのは躊躇われたので、手製のハンドクリーム(スイートアーモンドオイル使用)があったのでそれを塗り、石鹸で洗い流しました。
ですが、灼熱感は和らいだものの、ピリピリは続きました。
二度くらい同じく塗っては洗いを繰り返しても、夜まで何となくヒリヒリしていました。
もう枝豆を食べる気に(正確にはカプサイシンを体内にまで取り入れる気に)はならなかったので、家族に食べてもらいました。
美味しいと言ってくれたことだけが救いでした。
教訓です。
お肌の弱い方やお子さんなどは、唐辛子に触る時は充分ご注意ください。
手袋をしたり、大人が代わりに手伝ってあげたりした方がいいです。
また、触ってしまいピリピリしてきたら、水ではなく油を塗ってから洗い流してください。
身近なところに危険は思わぬ形で潜んでいるものですが、だからといって怖がってばかりいては何もできません。
持ち合わせた好奇心を大切に、そしてできる危機管理はぬかりなくして、より良い日々を健やかにお過ごしください。
END.
猛暑と枝豆 大甘桂箜 @moccakrapfen
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