　サミーは気になる記事を発見した。

　行方不明の者を探しているという記事だ。地方紙だと、時々そういう記事が隅の方に載っている。徘徊して消えたのではないかという老人、家出したのではないかと思われる子ども、山に行って帰ってこない人――など。警察だけでは任せられないとき、依頼者によってこうして公開捜査に踏み切るときがあった。

　ただ、記事を載せるだけではない。見つけた場合、有益な情報がある場合には、相応の報酬も出されていた。

　市民にも探してもらうには、慈善だけではやっていけない。ある程度利益があると思わせた方が、情報が出てきやすいのだ。

　その記事の中で、ある一人の人物の名が載っていた。その名は、グレンさんの机の上にある報告書に載っていた、魔法使いの一人と同一の名だった。

　探し人は依頼人の名を見る限り、親きょうだいなど、親族関係のようだ。何かあったのだろうか。

　謎が謎を呼び寄せてくる。

　サミーはいても立ってもいられず、記事を切り取ると、それを持って、局の外に出ていった。

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