Day23 伝わる(お題:静かな毒)

 まるで静かに毒が伝わるような感覚だった。

 これを作るためには、こういう手順を経なければいけないとわかっているが、実際にやるのはあまり気が進まなかった。

 万が一、この後の処理に漏れがあれば、この魔法道具は壊れてしまうかもしれない。


 売り出す側はきちんと義務を果たすだろうか。毒を排除してくれるだろうか。

 認可を出す人間たちは、売り出す側に漏れがあった場合、すぐに気づくだろうか。


 私が見た限り、勘の鋭そうな魔法使いらもいたので、大ごとにはならないとは思っている。それでも心配ではあった。事前に伝えるという方法もあるが、ただの人がわざわざ伝えても嫌みにしか聞こえないかもしれない。

 しばらくは様子を見てみよう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る