♪ Take16 健闘を祈る!
アフレコ当日の朝。
『Honey Finger』の入り口の前に、早朝から待ち合わせをするいつもの四人の姿があった。
アフレコに直接参加出来ない順平は、他の三人に順番に目をやり、そして激励の言葉を掛けた。
「皆の健闘を祈っているよ」
「済まない、内野君。私たちを信じて待っていてくれ。必ず朗報をお届けするぞ」
「順平、本当に済まないな。ここまで手伝ってくれたのに、収録現場の見学すらも出来ないなんて……」
「何、そんな顔をするな、歩。丹波先生も気にしないでくださいね。部外者の俺がここまでこの件に関わらせて貰えたことのほうが、特別なんだから」
「皆、そんな暗い顔をしないでくれ」と苦笑する順平に、先程から真剣な顔をしているひとみが駆け寄る。その目は闘志に燃えていた。
「順平さん。必ずや今日という日を成功させてみせますね」
「おぉ!その意気だ!ひとみちゃん!頑張ってくるんだぞ。そして皆、気を付けて行って帰って来てくれな」
順平のその言葉に三人が大きく頷く。
「順平さん。いってきます!」とひとみは順平に元気いっぱいに手を振りながら声を掛ける。
「あいよ!」と言いながら、順平は大きく手を振り返し、そして三人を温かく見送った。
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