第6話 実際の戦力
2人が基地に持ち帰った情報によって基地内はさらにあわただしくなっていた。
何を隠そう発電所を占拠しているテロリストの装備はフィンランド陸軍に匹敵する品質と量があり人数も発電所を守るにはいささか過剰なほどの戦力があったのだ。
これが発覚したことにより作戦本部ではNATOへの追加の支援を要請。それに加えインターポールにテロリストの巣状に関する調査を依頼した。また占拠された原子力発電所は海のそばにあるためフィンランド海軍への協力も打診された。
この要請を受けたNATOはすぐに増援を派遣することに決定し作戦の規模の拡大から指揮官もヴァイノ・ライネ准将からアフガニスタン紛争を経験した経験豊富なペーテル・ニクソン英陸軍大将へと変わった。
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「今回の件、どういうことなんでしょう?あそこまでの装備を一テロ組織が保有することは難しいと思うんですけど」
「そうだな。もしかしたらロシアとかイランとかが支援している組織なのかもしれん。ただそれは上層部とインターポールの仕事だ。俺たちはあくまで上に言われたことをするだけだ」
「そうですね」
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北緯50度50分31秒東経4度22分57秒
欧州連合理事会本部は突如送られてきた一通の手紙で大混乱となっていた。
その手紙ははじめ書かれていることがただのいたずらとしか思えないものだったためスルーされていたがNATOからの連絡によりそれが事実だと発覚した。
手紙に書かれていたのは化石燃料の使用を今すぐに停止するようにという要求とそれが達成されなければ現在占領しているオルキルオト原子力発電所を爆破するといった内容。これに対応するため緊急の会議を開いたEUだったが緊急だったために実際に参加できない国も多くリモートでの開催となった。
この会議において今回の事件についての対応についてはNATOに一任すること。NATOから協力の要請があった場合はそれに対して可能の限り協力すること。
そして今回の件は最重要機密情報として厳重な管理をすることが決定された。そのためこの事件を民間人が知ることはなかった。
もしオルキルオト原子力発電所が爆破されて放射能が拡散した場合欧州全域が汚染されることになる、そのため各国は大きな緊張感をもって今回の事件に対応することになった。
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