第4話 フィンランド
北緯62度24分17秒 東経25度40分31秒 フィンランド ティッカコスキ空軍基地
フィンランドティッカコスキ空軍基地ではフィンランド空軍の隊員があわただしく働いていた。今回の事件はNATOもかかわってくる大きなものになったことから供用しているユヴァスキュラ空港は封鎖され軍専用のものとなっている。
リシャールとモロー中佐はエストニア空軍が所有しているポーランド製の輸送機M28から降りると司令部と思われるところに向かった。
2人が司令部に向かうと司令部の扉は開けっ放しにされ、中では司令官と思われる男性と数人の作戦参謀が話し合っていた。
「失礼します。エストニア、タパ航空基地から参りましたモローとリシャールです」
モロー中佐がそういうと中にいた彼らはやっと2人の存在に気づいたようだ。
「2人が偵察機のパイロットか。遠いところまでよく来てくれた」
「いえ、これも任務ですから」
そういうとにこやかに彼らは握手を交わした。
「まだ名前を言っていなかったな。ヴァイノ・ライネだ。ここの指揮官を任されている。よろしく頼む」
「アダン・モローです」
「レオ・リシャールです」
「あわただしくて済まないが作戦の確認をさせてもらっても大丈夫か?」
「はい、問題ありません」
ライネ司令官は2人にそう聞くと作戦の説明を始めた。この部下へ配慮を行う姿勢があり彼の部下からの評判は上々だ。だからこそ今回の事件の現場の最高責任者ともいえる立場を任されているのだろう。
「まず今の状況を説明しよう。事件が起きたのは現地時間の6月28日の18時だ。すでに事件が起きてから5時間がたっている。しかも中には人質の原発職員も多くいると思わることから早期解決が重要だ。ということで君たちには偵察機を使い偵察任務を行っていてほしい」
「無人機を使わない理由としては撃墜を防ぐためですか?」
「そうだ。無人機では臨機応変な対応ができない可能性がある。そうならないために君たちに操縦を任せる。最悪原発に直撃しなければ大丈夫だ」
「了解です。ちなみに使う機体はどれでしょう?」
2人は一応戦闘機やヘリ以外はほとんどが操縦できるように教育をされているが事前に乗る機体について知ることによって感覚を思い出そうとしている。
「一応乗ってもらう機体としてはU-2の改良型であるU-2Sを用意している。すでにいつでも離陸できる状況になっているため準備ができ次第、搭乗し原発上空に向かってもらいたい。それでは君たちの幸運を祈っている」
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