このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(195文字)
人と命の善性に満ちた、胸に迫る物語でした。時計屋さんのおじいさんと、鴉たちの関係は、表層的には「給餌する側、される側」の関係として終始していたかも知れません。しかし、最初に関係を結ぼうと、その架け橋となったのは、きっとビリーなのだとおもいます。人と人、いや、あるいは誰かと誰かが真心から結びつくためには、相手に手持ちの何かをおしみなく与え続ける事と、それに対して返答する事。このふたつのキャッチボールが続く事。これが何より大切なのではないでしょうか。異文化交流の本質を見た思いです。