第31話 新たなる復讐の連鎖!愛し合う兄妹は抱き合ったまま天に召される!

「くっ、追って来たのか!?」

「当たり前だろ」


バジウスは魔導書を手に取った。


「アベル、覚悟しろ」

「アベルお兄様」


アメリアは怯えている。


「安心して、アメリア。すぐに終わらせるよ」


アベルは手の平をかざした。


「エクスファイア!」


アベルの魔法がバジウスを襲う。


「プロテクション」


バジウスの前にバリアが現れた。


「無駄だ」


バジウスの魔法がアベルの魔法を打ち消した。


「え!?そんなバカな!?」

「ギルドバトルの時と今の俺は違う」


バジウスは魔導書をめくった。

そして、自らのステータスを開示した。

アベルとアメリアの顔色が変わった。


レベル:38

職業:魔導士

名前:バジウス・リンドシェーバー

種族:人間

年齢:25歳

体力:1710(最1800)

精神力:2350(最大3515)

攻撃力:162(+500UP↑)

素早さ:960(+200UP↑)

スキル:プロテクション(期間限定解除)

    エクストラコールド(×2倍↑)

    セクレタリアート(×2倍↑)

    フィラメント(×2倍↑)

    ヨルムガンヂュ(×2倍↑)

    ノスフェラート(×2倍↑)

    

明らかにバジウスの魔力の強さは上がっていた。

全てのステータスが上昇していた。


「貴様、カブに手を出したな。このチート野郎め!」


アベルが声を荒げる。


「ギルドバトルという公式の場ではドーピング扱いになって失格だが……、私闘なら、どんなことをしてもいい。勝てばいいんだ」


バジウスは笑った。


「お前ら兄妹には、俺の手でとどめをさすよ」

「くっ……そんなことしたら、刺殺倶楽部が黙ってないぞ」

「もういいよ。お前らの死体を丸ごと消し去れば証拠はなくなる。それで俺たちは上手いこと逃げおおせるさ」

「許さん!」

「そうか……じゃあ死ね!」


バジウスはアベルとアメリアに向かって走り出した。


「エクスファイア!」


アベルの手から出た炎がバジウスに襲いかかった。


「プロテクション!」


バジウスの魔法がアベルの魔法を防ぐ。


「な、なんで!?」


アベルは戸惑っている。


「何度やっても同じ。カブの力はすごいぜ」

「おう、バジウス、やってるな」


ギリトが追いついてきた。


「ギリト、ちょうど良いところに来た」

「ああ、あのガキを殺すぞ」

「待ってくれ!アメリアだけは!」


アベルは叫んだ。


「は?何言ってんの?」

「アベル、悪いけど、俺らも手加減できないぜ」

「アベルお兄様、ごめんなさい」


アメリアは泣きながら謝っていた。


「くそぉおお!!」


アベルは怒り狂う。


「エクスファイア!」


アベルはバジウスとギリトに攻撃を仕掛けた。


「ノスフェラート!」


バジウスの闇魔法が炸裂する。


「ぐわぁあああ!!!」


アベルはダメージを受けた。


「アベル、お前の負けだよ」


バジウスはニヤリと笑う。


「ちくしょう……」


アベルは膝から崩れ落ちた。

アベルとアメリアの目の前にウィンドウが現れた。


『死亡しました』


アベルとアメリアは死亡した。

二人は抱き合ったまま。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る