第22話 村の農作物を盗んだ罪で俺はギルドを追放される!
「俺は嘘は言ってません!」
俺は乱れた服を整えた。
しっかりバルバトスの目を見た。
「ツネナリは?」
バルバトスはツネナリの方を向いた。
「ジェイドは俺を見殺しにしようとした」
「なっ……」
俺は呆れて何も言えない。
「でも、事実だ」
「ツネナリ……ジェイドはお前を助けたと言っているが?」
「ギルマス、俺は助けました」
俺はハッキリと言った。
だが、勝ち誇った顔をするツネナリ。
こいつ……
「なら、なぜジェイドに怒ってるんだ? 助けてくれたんだろう?」
「それは……」
ツネナリは恐ろしいことを言い始めた。
「こいつと、ファクトは手を組んでたんです」
「はぁ!?」
「えぇ~!?」
バルバトスとルリが驚いている。
「ふざけんな!! お前、頭おかしいんじゃないのか?」
俺は思わず怒鳴ってしまった。
「うるさい!黙れ!」
ツネナリは逆ギレした。
「証拠はあるのか?ツネナリ」
「ああ、そいつのアイテムボックスを調べて見ろ!」
バルバトスは俺の方を向いて頷いた。
「いいか?」
なんか、アイテムボックスを正直に開けるのは非常にまずい気がした。
だが、抵抗するのも余計変に思われる。
バルバトスはアイテムボックスの中から、農作物を取り出した。
それはファクトが洞窟の中に貯め込んでいたものだ。
「どういうことだ?これは?」
大根を手にしたバルバトスは俺に問い掛ける。
「それは……」
「それは、ジェイドがファクトから奪った農作物だ」
ツネナリのデマは続く。
「ファクトの農作物を横取りしたいから、ジェイドは俺を助けたんだ!」
嘘だ!
俺は叫ぶ。
だが、バルバトスは俺を見たまま黙っている。
「ギルマス。ツネナリのアイテムボックスを調べてくれ。そしたらあいつが嘘を言っているのが分かる」
ツネナリが農作物を盗む様に俺をそそのかした。
ツネナリだって農作物を持っているはずだ。
バルバトスは俺の言葉を聞いて、ツネナリのアイテムボックスを確認した。
「なるほど……」
バルバトスが納得した様な声を出す。
「何も入ってない」
その声が耳に届いた時、俺は目の前が真っ暗になった。
「へへへ」
ツネナリは笑っている。
「これでわかっただろ」
勝ち誇った顔で俺を見るツネナリ。
「まあ、確かにな」
バルバトスは俺に向き直った。
「違うんだ! 農作物はツネナリが盗む様に言ったんだ!ツネナリも農作物を盗んでいた。こいつは、俺を犯人にするために途中で農作物を捨てたんだ! きっと!」
「おい、お前、見苦しいぞ」
「うるせえ!」
俺は必死に無実を訴えた。
だが……
バルバトスは俺に向かってこう言った。
「ジェイド。プッチン同盟の掟では盗みを働いた者は追放処分だ」
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