第8話 プッチン同盟、追いはぎと間違えられる
「待て!」
村の前にいる男が、槍を構えた。
男は言った。
「お前たちは何者だ?」
「ギルド『プッチン同盟』だ」
答えたのはバルバドスだ。
「ギルド……だと? 何しに来た?」
「ゴブリン退治だよ。最近、村で被害が出ているらしいじゃないか」
「……」
男は沈黙した後……
「聞いてないぞ!」
叫んだ。
「え?」
「こんな奴らが来るなんて聞いていない!」
「いや、だが、あんたらクエストをギルド委員会に依頼したろう?」
「ふざけるな!」
「え?」
「勝手に決めつけるんじゃねぇよ!!」
突然、一歩踏み出す。
「ちょ!」
バルバトスが慌てて、皆を遠ざける。
「村長を呼べ!」
「うるさい!」
男は話を聞かない。
「なんじゃ、騒がしい」
禿げ頭で長い白髭の老人が現れた。
「わしが村長じゃ。ソウヒョウ。槍をしまえ。この方は恐らく……」
話をすると、あっさりと解決した。
「ありがとうございます!」
どうやら、村全体にプッチン同盟が来ることが伝わっていなかったらしい。
「もう! 村長さん、皆に伝えといてよ!」
「すまんのう」
怒るルリに頭を下げる村長。
「……」
ソウヒョウと呼ばれた男は、まだ怪しそうにプッチン同盟のメンバーを見ている。
「それでは、こちらへ」
村長の家に招かれる。
「ささ、お茶をお飲み下さい」
テーブルには人数分のコップが置かれていた。
「これはどうも」
俺は椅子に座って一口飲む。
「美味いな」
「そうですか。それは良かった」
頷く村長。
「ところで、どんな状況なんだ?」
バルバトスが村長に問い掛ける。
「はい、最初は1匹のゴブリンが現れまして……それがどんどん数を増やしていきました」
「ふむふむ」
「それから、畑が荒らされるようになり、家畜も襲われるようになり……」
悲しそうな顔を浮かべた。
「なるほど、ギルド委員会にクエストを申請した訳か。」
「はい、お願いします」
「分かった。任せておけ」
「よろしく頼みます」
ゴブリンは夜に現れる。
夜まで待った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます