第6話 朝から猫耳幼女が馬ノリになって俺にせまってくる

ギルドの名前は『プッチン同盟』だった。

入ってから知った。

ちょっとカッコ悪くて後悔した。


「新しく入ったジェイドだ。みんな、よろしく頼む」


ギルドメンバーの前に立つ。


「よろしくお願いします!」


頭を下げて来たのは、尖った耳が特徴的なエルフのラケシズ。

白い肌と金髪が美しい。

職業はアーチャー。


「よろしく!」


元気な挨拶は、まだ10歳の男の子マシュウ。

職業は盗賊。


「……」


黙って横を向いているのは、ぼさぼさの黒い髪、和服みたいな服に剣を腰に差した男ツネナリ。

職業は剣士。


反応はそれぞれだったが、歓迎されているようだ。

そして、ルリと視線が合った。


「ジェイドと一緒になれて嬉しい!」


最後にルリ。

彼女の職業は魔導士。

軽く微笑む彼女。

胸が高鳴る。


「よぅし! まずは歓迎会だ!」


ギルドの部屋で、酒と食事が振る舞われた。



翌日……


僕は与えられた部屋で寝ていた。


「ジェイドさん! おはようございます!!」


朝から大きな声で挨拶してきたのは、自称ルリの妹分のサツキ。

種族は猫獣人。

年齢は9歳らしい。


「ああ……」


俺は眠い目をこすりながら返事をした。

昨日は、遅くまで酒を飲んでいたせいで、二日酔いがひどい。

頭がガンガンする。


「お兄ちゃん、大丈夫?」


サツキが心配そうに見てくる。


「ああ、なんとか……え?」


なんと、サツキは俺の身体の上に馬乗りになっていた。


「ちょっ……何を……」

「えへへ~♪」

「どけよ!!」


俺は力づくで引き剥がす。


「痛いなぁ」

「こっちのセリフだ」

「お兄ちゃん、酷いよぉ」

「いいから離れろ」

「やだ」


また乗ってきた。


「お前なぁ……」

「えへへ」


嬉しそうな表情を浮かべている。


「何が楽しいんだよ?」

「だって、ジェイドってば私のタイプなんだもん。いっぱい甘えたいし、一緒に居たい」

「は?」

「ねぇ、これから毎日、起こしに来てよい?」

「ダメだ」

「えー」


不満げな声を上げる。

俺はロリコンじゃない。


「そもそも、お前はルリとはどういう関係なんだ?」

「え? 私? うーん、なんていうか、姉妹かな?」

「姉妹?」

「うん、血は繋がってないけどね」

「ふぅん」


複雑な家庭環境か。


「というわけで、今日もよろしく」

「だから、ダメだ」

「えへへ」

「おい……離れ……」


ガチャッ!


「まぁ、ジェイドったら、そんな小さな女の子が好きなのね」


扉を開けて入ってきたのは、ルリだった。


「え? いや……」

「最低」


軽蔑するような目で見つめてきた。


「いやいや、違うんだ!」

「言い訳は後で聞くわ」

「聞いてくれ!」

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