第5話 新しいギルドの採用面接は緊張する
ソファーに座って向かい合う。
「自己紹介が遅れたな。俺の名前はバルバドス・ギルディア。このギルドの長だ」
「ジェイドです」
「ほぅ、ジェイドっていうのか。かっこいい名前だな」
「よく言われます」
「自分で言うんじゃねぇ。それで、ジェイド。お前さんの実力はどの程度なんだ?」
「えっと……」
俺はバルバドスの要求に応え、ステータスを開示した。
『鑑定』スキルを持つ者以外、他人のステータスを見ることは出来ない。
だが、ステータス開示の意志を持てば、『鑑定』スキルを持っていなくても見ることは出来る。
「レベル8……職業は傭兵……へぇ……」
彼はニヤッとした。
「悪くない。だが、ルリの方が上だ」
「はい」
それは分かっている。
彼女は強い。
俺なんかより遥かに。
彼女のステータスは見ていないが、そんな雰囲気がした。
「ところでジェイド。お前さん、ルリのことが好きなのかい?」
「え?」
「顔が赤いぜ」
「いえ、その……」
どう答えればいいんだ? 好きか嫌いか? いや、そういう感情じゃない気がする。
もっと深い……。
「はい……」
結局、正直に答える。
初めて会った時から、そんな気はしていた。
「あと、この『側にいるだけで』っていうスキルは?」
「俺の支援スキルです」
「支援スキル? 聞いたことないが……」
「はい。俺以外に持っている人がいるのか分からないです」
「そうなのか?」
バルバドスの目が細くなる。
「スキル名がふざけてる。嘘ついてるんじゃないか?」
「いえ、本当です!」
「まぁ、冗談だ。信じるよ」
は?
今のは本音っぽく聞こえたが。
横で、バルバドスと俺のやり取りを、ルリが心配そうに見ている。
「ところで、前のギルドはどうしてやめた?」
「えっと……」
俺は事情を説明した。
「なるほどねぇ……」
彼は腕を組んで考えている。
しばらく沈黙した後、言った。
「じゃあ、ジェイド。お前、うちのギルドに入るか?」
「え!?」
「嫌か?」
「いえ、光栄です!」
「そうか。ちなみにルリはどう思う?」
「私は賛成だよ」
ルリが笑顔で答えた。
こうして、俺はギルドに入ることが決まった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます