第4話 可愛い彼女のギルドに誘われた!
「で、ジェイド。何してるの?」
「君こそ」
「私はギルドに戻るところ」
「ギルド?」
「決まってるじゃん。お金を稼ぐためだよ。あと、君と再会できたからお礼もしたいしね」
「そうか……」
あの時の恩返しということか。
「ねぇ、ジェイド。私と一緒に来ない? 今、私が仲間になってあげるよ」
「え?」
「あ、それともすでにギルドに入ってる?」
「いや」
恥ずかしくてクビになったとは言いづらい。
「いいのか?」
「もちろん! これからよろしく!」
俺は彼女に救われたんだ。
「じゃあ、行こうか」
「ああ」
彼女の後に付いて行く。
そして、俺は新たな一歩を踏み出した。
◆
それにしても偶然ってすごい。
10年前に1度だけあった女の子と、たまたま再会するなんて。
しかもギルドをクビになった日に。
つまり、ギルドをクビにならなければ会えなかったわけだ。
そして、彼女には、確かめたいことがあった。
ギルドホールと呼ばれる建物の前で、彼女は立ち止まった。
「ジェイド、ちょっと待ってて」
「え?」
「すぐ戻るから」
「ちょっ……」
ルリは俺を置いてホールへ入った。
数分後……
「お待たせ~♪」
ルリが戻ってきた。
笑顔を浮かべている。
「おかえり」
「はい、これ」
彼女は俺に何かを差し出してきた。
「これは?」
「見ての通り、おにぎりだけど?」
「え?」
「食べないの?」
「いいの?」
「え? 逆にダメなの?」
「いただきます」
俺は受け取った。
「うまい!!」
塩味の効いた米の旨みが口に広がる。
こんな美味しいもの食べたことがない。
「ふふん。そうでしょう」
ルリが自慢げな表情をする。
「じゃ、それ食べたら、ギルドマスターと面談しようね」
「分かった」
「よし、行こっか」
◆
ルリがギルドマスターと話をする。
俺は部屋の外で待機していた。
「入っていいよ」
しばらくして、中から声がかかった。
扉を開ける。
中にはギルドマスターと思われる人物がいた。
20代くらいの男性だ。
銀髪で髭を伸ばしており、威厳のある風貌をしている。
「ほう、お前さんがルリの友達かい。ま、座れや」
「失礼します」
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