第4話 可愛い彼女のギルドに誘われた!

「で、ジェイド。何してるの?」

「君こそ」

「私はギルドに戻るところ」

「ギルド?」

「決まってるじゃん。お金を稼ぐためだよ。あと、君と再会できたからお礼もしたいしね」

「そうか……」


あの時の恩返しということか。


「ねぇ、ジェイド。私と一緒に来ない? 今、私が仲間になってあげるよ」

「え?」

「あ、それともすでにギルドに入ってる?」

「いや」


恥ずかしくてクビになったとは言いづらい。


「いいのか?」

「もちろん! これからよろしく!」


俺は彼女に救われたんだ。


「じゃあ、行こうか」

「ああ」


彼女の後に付いて行く。

そして、俺は新たな一歩を踏み出した。



それにしても偶然ってすごい。

10年前に1度だけあった女の子と、たまたま再会するなんて。

しかもギルドをクビになった日に。

つまり、ギルドをクビにならなければ会えなかったわけだ。

そして、彼女には、確かめたいことがあった。


ギルドホールと呼ばれる建物の前で、彼女は立ち止まった。


「ジェイド、ちょっと待ってて」

「え?」

「すぐ戻るから」

「ちょっ……」


ルリは俺を置いてホールへ入った。

数分後……


「お待たせ~♪」


ルリが戻ってきた。

笑顔を浮かべている。


「おかえり」

「はい、これ」


彼女は俺に何かを差し出してきた。


「これは?」

「見ての通り、おにぎりだけど?」

「え?」

「食べないの?」

「いいの?」

「え? 逆にダメなの?」

「いただきます」


俺は受け取った。


「うまい!!」


塩味の効いた米の旨みが口に広がる。

こんな美味しいもの食べたことがない。


「ふふん。そうでしょう」


ルリが自慢げな表情をする。


「じゃ、それ食べたら、ギルドマスターと面談しようね」

「分かった」

「よし、行こっか」



ルリがギルドマスターと話をする。

俺は部屋の外で待機していた。


「入っていいよ」


しばらくして、中から声がかかった。

扉を開ける。

中にはギルドマスターと思われる人物がいた。

20代くらいの男性だ。

銀髪で髭を伸ばしており、威厳のある風貌をしている。


「ほう、お前さんがルリの友達かい。ま、座れや」

「失礼します」

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