第2話 『側にいるだけで』

そして現在に戻る。


「まずいなぁ……金がないから何も食えないし……」


所持品は全て没収された。

稼いだ金も、全て。

今までの世話代だとか言われて。

めちゃくちゃだ。

あいつら、俺の活躍を知らないのか。


俺は必死に戦ったというのに。

まあ、仕方ない。


俺の能力は分かりにくい。


ステータスオープン


レベル:8

職業:傭兵

名前:ジェイド・スターシーカー

種族:人間

年齢:15歳

体力:100(最大100)

精神力:50(最大50)

攻撃力:10

素早さ:20

スキル:側にいるだけで


『側にいるだけで』というスキルは、いわゆる、支援……回復とかバフをかける能力のこと。

俺が側にいるだけで、周りの仲間は能力が上がるのだ。

ただ、スキルを使うと精神力を使う。

俺は、仲間達のために精神力をすり減らし支援していた。

ただ、皆は俺のスキルを知らない。

『側にいるだけで』なんて、ふざけた名前、皆、支援のスキルだなんて信じてくれなかった。

なんか、皆、調子がいいな、なんて思いながら戦ってたんだろう。

だが、思い知るがいい。

俺がいなくなったら、苦戦するだろう。




ざまあみろ。

おっと、今はそんなことを考えている場合じゃない。

何か食べないと死ぬ。

金もない。

宿にも泊まれないし、食事もできない。

どうするか?


「ああ……腹減った……」

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