第20話 冒険者と???視点

 ハアハアハァ 


 私は今、急いで冒険者ギルドまで走っている。


 カルとショウが命を犠牲にしてあいつを抑えているんだ。


 私はわたしの仕事をしないと、


 数十分後


 バンッ


「大変だ!ユニーク種族が生まれた!」


 私はギルドの扉を思いっきり叩いて大声を上げた。


 ザワザワ


「それは本当か!?」


 奥にいたバルドが不思議そうに尋ねると


「本当だ。そして、あいつはカルとショウが

抑えている。」


 私は神妙な顔つきでカルたちのことを話した。

 すると、


「カルたちが抑えているのか…

それほどまでに強い敵なのか。」


「ああ、スモールスコーピオンのユニーク

個体だろう。

 クソっ、カルたちが心配だ。

 カルたちを助けるために俺は行くぞ。」


 そう私がいうと、バルドが


「俺も行こう。

カルたちで相手をするやつだお前一人が加わったところで意味がない。」


 クソっ、サラッとバカにしやがる。

 だが、バルドがついてくるなら倒せるかもしれない。


「わかっ『ちょっとまで!』


 誰だ!? 私とバルとはほとんど同時に後ろを向いた。


「「ギルマス!」」


 そこにはギルマスがいた。


『もうすでに調査隊を出した。』


「ですが、カルたちを見捨てろと言うのですかギルマス。」


 と、声を上げてバルドがいうとギルマスが


『そこには【影面】をつけている。』


 影面だと!?

 ギルマスに並ぶSランク冒険者で裏仕事しかしないあの影面が行っているのか。


「あいつがそこについて行ったなら大丈夫だな。まあ、予想以上に強くなければだが。」


 バルドはその影面とやらを知っているようだが、あいつがそこまで言うのなら大丈夫だろう。


『ひとまず私の執務室へきなさい』


 そう言われて私達はギルマスの執務室へ場所を移動した。


 しかし、そこで待っていたのは信じたくない報告だった。





 それは、移動してから3時間後のことだった。



ダンダンッバンッ


「ギルド長!!調査隊が戻ってきました!」


『どうだった。』


 よかった。あいつらもきっと生きているだろう。だが、受付嬢の顔色が悪いような。」


 まさか!?


「ほ、報告します…

 カル、ショウの戦死を確認しました。

彼らの死体はとても損傷していて、おそらく

体の大部分を食べられたとおもわれます。」


 私はその言葉を信じたくはなかった。

 

 カルとショウが死んだだって?


「………」


「大丈夫か。リン。」


 ポタッ


 なぜだろう無償に涙が込み上げてきて…


「落ち着け、リン。」


 そう言ってバルドは、私の頭を自分の胸に当てて頭を抱きかかえるように撫でてきた。


 私は涙を堪えられなくなり泣いた。


 その後に気づいた。バルドも涙を流していた。

 そりゃそうだろう。あいつはカルとよく飲みやっていて、ショウの師匠だ。

 友と弟子を失って私と同じくらいの悲しみを持っている。


 それからのことはそこまで覚えていない


 どうやらギルマスが国に報告し、

ユニークの野郎は厳重警戒体制を引かれているらしい。


 わたしは、冒険者稼業から足を洗い、

村に帰ってあいつらの両親と一緒に泣き、

墓を作ってお参りをした。


 私は願っている。あいつらとまた笑い合える日が来ることを





 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る