第15話 閑話 カル視点

 あいつは今、俺たちを標的にしたのか。


「ショウ、覚悟を決めろ。」


「わかったスッ」


 俺たちはどうやら選択を誤ってはいなかったようだ。

 あのサソリとやりあえば確実に殺される。

あいつをギルドに伝えるためにリンを送り出したのも正解だったな。


「ショウ、俺とお前でリンがギルドに情報を届けるまでここで持ちこたえるぞ。

 あいつは生かしておいては行けない気がする。

 行くぞ!!」


「了解ッス」


 俺とショウはほとんど同時に走り出し、

そして、ほとんど同時に攻撃を繰り出した。


 だが、そんなので動きが止まるような相手じゃなかった。


 俺たちの攻撃は甲殻にかすり傷程度の傷をつけただけだった。


「硬いッス」


「ど!んな攻撃でも良い、あいつを俺たちに釘付けにしろ。」


「【パワースラッシュ】」


「【デュアルスラッシュ】」


 ちくしょう、俺とショウの最大火力のスキルがですらあいつをの甲殻を壊せないのか。

 だが、


「ショウ! そのまま続けろ!」


 甲殻に少しだがヒビが入っている。


 もう一度同じ攻撃をしようとしたときに

サソリの雰囲気が変わった。


 それは、濃厚な殺意の気配だった。


 次の瞬間


「ギャッッッ」


 ショウ?!


 お前なんで逆さまに!?


 いや、俺が切られたのか…

 

 そして、ショウも…





 こうして、とある冒険者チームが一人を残して全滅した。


 しかしそれは、とある者に見られていた。





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