最終ワン【ずっと、いっしょ】

 場所・自宅


 シチュエーション・第9ワンから数年後

 ブン太、リビングのソファで彼女の横で眠る


「ブン太、もう散歩の時間だよ。起きて。......キミは最近寝てばかりだね。まぁ仕

方ないか。人間の年齢に換算したらブン太ももうすっかりお爺ワンだもんね」


 彼女、ブン太を優しく撫でる


「キミにはこれまでいろいろ助けられたよ。私がデビュー仕立ての頃にオーディションに全然引っかからなくて心が折れそうになった時、ブン太の存在がどれだけ支えになったことか。もちろんそれだけじゃないよ。初めて人前でライブする時、自分のラジオ番組を持てた時......いつも私の心の中にはブン太がいて、励ましてくれて。ありがとね」


 ブン太、目を瞑ったまま反応無し


「ふふ。どんな夢を見てるのかな。大好きなエゾシカのあばら骨をしゃぶってる夢? それともお散歩してる夢? そこに私もいるといいなぁ」


 彼女、ブン太の身体に頬擦りする


「この香ばしいポップコーンみたいな匂い......ほっとする。いつまでだって嗅いで

らいれるよ」


 彼女、ブン太の頭を撫でる


「今日はどこまでお散歩に行こうか。時間もあるし、久しぶりにちょっと遠出してあの公園まで行くのもありだよね。ブン太はどこに行きたい?」


 ブン太、無反応


「......そっか、まだ寝てたい、か......いいよ。私もブン太が起きるまで待っててあげる

。だから、ブンタの気の済むまでおやすみ。起きたら一緒にお散歩行こうね......」


 了

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