2040年のメディアのカスタマイズ

2040年代、

メディアは庶民の物になった。


一部の高学歴の人たちや、

面白い人たちのテレビ番組だった。


2010年代頃から、

マスメディアのマスは段々と減っていき、

ひな壇芸人が毎年ポツンポツンと、

消えるビームが浴びせられたように

ポツンポツンと消えていった。


2020年代後半から、

ニュース番組は主にアニメキャラや3Dモデルのバーチャルがするようになった。

世間の危ないニュースもアナウンサーから機械音声にとって変えられた。


ニュースに感情は要るか要らないかという論争は続いていたが、

結局は落ち着いた声がいいという視聴者の意見もあり、

親しみ深いバーチャルなモデリングがナレーションをあげた。


ニュースの原稿はネット上から自由生成され、

今ではほとんど人間の手が入っていない。

人間は最終的なチェックをするだけだった。



逆にジャーナリストの地位は上がった。

生の情報を得られる方が大切な時代になった。


情報を知ったかぶりする人は増えたが、

本当のことを知っている人は貴重だった。



バラエティ番組もとうとう出演者に払うギャラが減少。

むしろ最近ではお金がある人がお金を出してテレビに出演する時代になった。



テレビに出るためにお金が取られるようになった。

テレビとは有名になるための手段で、

通過点になったのだ。


テレビで有名になったら、

コメンテーターでも

広告主が付くので、

そのインフルエンサーに合わせた

カスタマイズされた広告を宣伝することになった。



テレビに出るのは、

有名になるための方法ということだ。

お金を払えば誰でもテレビに出られる。


広告がつくテレビ番組もあるが、

基本的に高齢者向けの無課金番組。

レトロなコッテコテのネタが展開されていた。


基本的に一人でイケる仕事が増えた。

落語や講談、ピン芸人のネタ枠番組などが増えた。


もうマスは存在していないのだ。


視聴者はセグメントという名前で、

分類されていった。


最初のうちは年齢と性別ぐらいだったが、

やがて、お酒を飲んでタバコを吸う視聴者や、

オーガニックが好きでナチュラルや自然向けの視聴者番組など、

番組ごとに明確にセグメントが分けられていって、

散り散りになっていた。


ちりといえば地理だ。


これは関東道メインの番組には、東京散歩の番組や最近の都会の流行りなど、

これは畿内道メインの番組には粉もんグルメや芸能情報などなど

という風にわかれていった。


お笑いというのは、

AIの学習プログラムにとって、

実に難しいものだった。


何が面白くて、何が面白くないものなのか?

分類するのには2030年まで待たねばならなかった。


しかし、2030年には出血もできるロボットが発明されて、

ロボットには切断プレイや触手プレイなど、

人間ができないアニメのようなことを、

ひょいひょいとできて、

一躍有名になったロボットもいる時代になった。


お笑いにもパターンがある。

お笑いで大切なのは場の雰囲気と間のとり方とテンポだ。

いくら内容が面白いことでも、

タイミングを間違えると面白くなってしまう。


それが大学のお笑い研究家がお笑いマシーンを発明して、

全然変わってしまった。

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