第20話 お礼を!させて!

「起立。礼」


 そわそわしてたらもう放課後になってしまった…。


珠央たまお!バスケやんぞ!」


 また男の子四人で集まってる…。

 依岡よりおかくん、私のせいで全然バスケ出来てないよね…やっぱり別日に…。


「ん。今日無理」

「なんだよ最近つれねーなーー。まちゃか彼女でも出来たんでちゅか?」

「違えよ」

「じゃあなんだよぉ」

華嵩はなたか、詮索すんなよ」


 依岡くんも言いづらいよな。

 申し訳ないな。


白澤しらさわと用あるから」

「「えっ」」

「っ…」


 言った…。


「バスケまた明日な。明日は絶対行くから」

「じゃあねたまちゃん」

「………あいつぅ抜け駆けしやがって!しかもあの!可愛い!モデルの白澤さんと!くぅ〜羨ましい‼︎」

「華嵩。男の嫉妬は醜いぞ」


「いこ白澤」

「えっ…あっ。よ、良かったの?」

「なんで?約束したじゃん」

「そうだけど…ずっと私…」

「バスケなんていつでも出来るからいいんだよ」

「…ありがとう」



 またもどおなつ屋にて。

 ドーナツなんてまともに選べない。

 それどころじゃない。


「「……」」


 どうしよう。

 緊張する。

 喋れない。


「何になったの?」

「え?」

「お返し」

「あ…あとでのお楽しみ…かな」

「へぇ」


 自分でハードル上げてしまった…。

 私のバカ…。


「これ前白澤食ってたよな」

「あ、うん!チョコがパリパリで生地はふわふわだから食感が飽きないし、甘さ控えめで食べやすかったよ!」

「食レポうま」


 前は依岡くんが払ってくれたし…!


「こ、今度は私が払います」

「お返しそれ?」

「…じゃないけど」

「そ。会計一緒で」

「かしこまりました」

「ちょっ!」


 結局また出させてしまった…。

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