第四章 進展…してるよね

第18話 流石にヘンかな

 依岡よりおかくん、ピアス付けてたし、ピアスのプレゼント、どうかな。

 うん、我ながらいいと思う。

 そう思った私はアクセサリーショップでピアスを探し始めた。


「いらっしゃいませ。何かお探しですか?」

「えっと…男の子用のピアスを探してるんですけど」

「彼氏さんにプレゼントですか?」

「ちゃっ、ちゃいます!」


 噛んだ。


「そうですか。今人気なのはこのリングタイプです」

「…ふむふむ」


 確かにかっこいいかも…。

 依岡くんいつも黒くて小っちゃいの付けてるもんな、こういうのもアリかも。


「他には、宝石を使ったようなものも人気です。誕生月に合わせた宝石を…彼氏さんお誕生月は?」


 誕生月?依岡くんいつ生まれだろ?

 そういう話も今度聞いてみたいな…って!


「彼氏じゃないですっ!」

「そうですか。男性に人気なのはゴツゴツした…こちらの髑髏どくろのものなんてどうでしょう」

「…ほうほう」


 確かに男の子は好きそうだけど、依岡くんは華奢きゃしゃな感じだしこういうのじゃないかもな。


「うーん…」

「でしたら、このようなゴールドカラーでも、中性的でカッコいいですよ」

「…ふんふん」


 金は可愛い感じだけど、依岡くんなら似合っちゃいそうだな。

 でも金だと目立っちゃうかな?


「カップルの方にはお揃いでペアピアスをオススメしております」

「…なるほど」


 依岡くんとお揃いで…ベースは同じだけどピンクと黒で色が違…。


「ってカップルじゃない!」

「そうですか」


 候補が多すぎて悩んじゃうな。

 依岡くんが付けるなら…。


「…あの、やっぱり最初のやつで」

「かしこまりました。在庫を確認します」


 なんとか決まったけど…付けてくれるかな。

 プレゼントって乙寧おとねとかにも渡したことないし、緊張するな。


「ありがとうございました。お幸せに」

「ありがとうございます…」

「……」

「だから違いますって‼︎」


 買ったはいいけどどうやって渡したら…。

 えっ?どうやって渡そう?

 学校で呼び出して渡す…?

 プライベートで渡す…?

 よくよく考えたらとても勇気がいる。

 しかもアクセサリーって…ヘンかな。

 ヘンな気がしてきた。

 電話電話…乙寧、乙寧…。

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