栗色の恋慕情

第17話 男の子の連絡先

「あ！あの‼︎」

「「？」」

　あああたくさん男の子がいる…。

　なんて思われてるんだろう…絶対変だよね、依岡（よりおか）くんだけ呼び出すなんて絶対変に思われる。

　でもこうしないと乙寧（おとね）に絶交されちゃう…。

「あ、白澤（しらさわ）さんじゃん。やっほ〜」

「…白澤」

「まさかこれは…告はkうげっ⁉︎」

　騒ぎ立てる男子(名前覚えてない)を倭田（わだ）くんが止めてくれた。

「茶化すなよ。どうしたの白澤さん」

「えっと、依岡くんにちょっと話があって…」

「おっけ。ほら先行くぞお前ら」

　こうやって気を遣ってすぐ二人にしてくれる、優しい。

「わたし気になるぅ〜〜」

「キメェんだよオカマ野郎！」

「ひどぃ〜ん」

　倭田くんのおかげでなんとか二人に…。

　聞くことは決めてる…！

「「……」」

「れれれ、っれ！連絡先を‼︎」

　どもった。

「だいぶ端折（はしょ）ったね」

「う…ごめん。本当は朝声かけようと思ったんだけど、出来なくて」

「いいよ。俺も気付かなかったし。LIME（ライム）でいい？」

「うんっ」

　わぁ〜…男子と連絡先交換したの初めてかも…。

　普通するものなのかな？

　しないかな⁉︎

　好きだってバレるかな⁉︎

「…お返し決まった？」

「あ、えと、実はまだ…」

「早く決めないと時効にするよ」

「ごっごめん…今考えま」

「冗談だって」

　そう言って、いつも澄ました表情の彼がケラケラ笑う。

　最近依岡くんの笑う顔をよく見る。カワイイ。

　カワイイのに、意地悪だ。

「ヒュー！色男〜！」

「白澤さんどうしたの？」

「LIME聞かれた」

「は？まじで？おい俺に紹介しやがれ！」

「自分で聞けば」

「何？珠央（たまお）、白澤さんといい感じなの？」

「さあ」

「お前口数少ないんだよ！何があったか言え！なんでお前があの激カワの白澤さんと！」

　依岡くんと無事連絡先を交換した私は、大急ぎで乙寧の元へ向かう。

「乙寧〜〜！」

「やっぱり失敗したか」

「交換したよ！」

「お、まじか」

「何その最初から出来ないと思ってたみたいな言い方！」

「出来ないと思ってたもん。よくやったね憂希美（ゆきみ）！好きな人のLIMEゲットだ」

「好きな人…」

「自分で言ってたじゃん」

「そっ、か…好きな人かぁ…！」

「可愛いなお前は」

「お、乙寧…お礼どうしよう、何がいいかな」

「デート誘えばぁー？」

「む、無理…」

「あんた意外と乙女よね」

「だって無理だよぉ〜」

「大丈夫。あんたとデートなんて断る男子いないから」

「そんなことないよ〜依岡くん怖いもん、何考えてるかわかんないし」

「好きなんじゃないんかい」

　考えに考え抜いて…私はお礼を考えた。