第10話 バレたら大変だ

 今日は学校だけど、撮影の日だ。

 いつもは土日が多いけど、今日は珍しく平日のお仕事だ。

 もう何回か撮影はしてるけど、私はただの高校生…。

 まだまだひよっこだけど、SNSなんかでは応援してくれる人もいるし頑張ろう。


 すると暗い茶髪の女の子が声をかけてきた。

 いつも一緒にいる友達、七嶋乙寧ななしまおとねだ。

 彼女とは去年、一年生の頃に出会い、今年も同じクラスだ。


「ゆーきみん。一緒帰ろ」

「ごめん!今日はちょっと」

「バイトでも始めたの?」

「うーん。まあそんなとこ」

「へぇー!どこどこ?」

「ひ、秘密!じゃ、じゃあいくね!」


 乙寧には悪いけど、学校の人にはバレたくないんだ。

 …怖い人に声かけられたくないし。



「怪しい」

「乙寧〜…お?どしたの?」

弥子やこ。なんか憂希美ゆきみが怪しい」

「ほう?」

「あれは良からぬことをやっている反応だ」

「ちょっとつけてみる?」

「そうしよう」


―――


赤輪あかわプロモーション…?」

「まさか憂希美」

「「モデル⁉︎」」

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