第14話 至高のプリンアラモードを求めて①
時は満ちた。
はい。
単純に週末になっただけです。
てことで禊の時。愛する妹の怒りを収めるために至高のプリンアラモードを献上せねばならん。まずはこの前試作したときと同じようにプリンを作って参ろうぞ。
ちなみに聖は友人と朝から遊びに行ってる。プリンアラモードは3時のおやつがいいから作っといてと叩き起こされた。自由だ……。
では、参ろう!
用意するのは出ました、王鶏の卵。そして、ダンジョン産の砂糖に牛乳、生クリーム。
「バニラビーンズも忘れずにねぇ」
別になくてもいいと思うんだけど、やっぱ手作り感というかちょっとした高級感出るよね。入れるかどうかは気分と好みの問題。聖はある方が好きなので入れます。我が家は妹至上主義なので聖が指し示す方向が答えです。
自我がないとか言うんじゃねぇ!俺は妹が大好きなだけだ!!
……。悪いか?
前回同様まずはカラメルから作っていく。焦がさないように気をつけながら鍋を揺らす。このカラメルの匂いって独特だけど好きなんだよね。単純に自分が甘党だからかもだけど。
実は、このダンジョン産の砂糖をはじめとして牛乳や生クリーム、こいつらを作っているというかモンスターを育てて生産している奴らがいる。上級探索者でありながらダンジョン内に自分の牧場を持ち、筋骨隆々な見た目以上のパワーで殴ってモンスターを地に沈めるような奴らだ。こいつら自分たちの本業はあくまで農家だと言い張りやがる。ダンジョン素材を扱う農家であって探索者はついでらしい。どこに高ランクのダンジョン余裕で潜れる農家がいるんだよ。全国の農家に謝れ!
そんなこんなでカラメル完成。ちゃちゃっと容器に入れていく。今回はプリンアラモードだから果物やクリームとかがあるから少し焦がしめというか苦めにしてみた。気持ちね。
「このカラメルの匂いが良いんだよなぁ」
美味しいものの匂いって良いよね。食材でも料理でもいい匂いを嗅ぐだけでものすごくお腹すく。人間の五感って大事なんだなって実感する。
さてさて続きはプリン液を作っていく。オーブンを温めておくのを忘れずに。
筋肉印の牛乳と生クリームを鍋に用意しておく。バニラビーンズも少々。そして、王鶏の卵。まだまだあるんだよなぁ……今度パンケーキでも作ろうかな。
混ぜるというよりつながりを切っていくように泡立て器で混ぜていく。そして、これまた筋肉印のダンジョン産の砂糖を混ぜる。……たまに直接買ってるし同じ探索者として顔見知りだから、今度なんか欲しい食材あった時会いに行ってもいいかもな。
鍋の中身を温めて卵を少しづつ加えていく。ここで温めすぎて卵が固まらないように注意。できたプリン液をカラメルを入れておいた容器へドーン!そして、オーブンにバーン!
あとは待っとくだけだけどやっぱり一回作っておいたのが良かったね。細かいとこで手間取らないから予習は大事。
「あとは〜、プリンアラモードの作り方っと」
ネットで一応検索する。家庭で作れるとか書いてあるのを色々見ておく。先人の知恵、これ大事。自分で挑戦するのは良いことだけど態々分かっているものを失敗しに行く必要はないからね。
イメージで作ってもいいけどお菓子は適当に作ったら痛い目に遭うのが分かってる(体験談)。逆に、料理は醤油や砂糖とか少しぐらい適当にしても大丈夫。慣れたら自分好みにできるからむしろ測らない方が良いまである気がする。もちろん失敗したくないとかならレシピ通りに作るのが一番。
「プリンにホイップクリーム……。後はフルーツを盛りつけ……特になさそうだな」
パーと調べた感じプリンアラモードに一概に言ってもあまり決まりはなさそうだし、適当にプリンとホイップクリームとフルーツ盛り付ければいいでしょ!大丈夫、大丈夫。
プリンをオーブンで加熱している間にホイップクリーム用意してフルーツも切り分けておこうっと。
てか、プリンアラモードって日本発祥らしい。
カスタードプティングことプリンに様々な甘味を乗せたものとかなんとからしい。アラモードはフランスで流行のとか現代風、洗礼されたとかいう意味らしい。パイとかの上にアイスを乗せたものをアラモードと言ったりするからそこから派生したのかなぁ。こういう文化とか調べてみると面白いよな。学校の勉強とは大違いだ。
別にベンキョウデキナイとかイッテナイヨ?ボクアタマイイヨ?アイムジーニアス。
そんなことは気にせずホイップクリームを用意。
といっても、市販のものだけどね。だから冷蔵庫でしっかり冷やしといた物の箱を開けるだけで準備完了。
あとなんか生クリームとホイップクリームは違うらしい。植物性だとか動物性とかの脂なんとかが違うとかなんとか。僕は分かりませーん。
フルーツ用意していきまーす。
サクランボよーし。苺よーし。メロンよーし。きれいに浄水で洗って、ヘタを取っておく。サクランボはプリンの上にのせるとして、苺は横にホイップと一緒にかな。だったら、四等分か三等分とかにしておこう。
フルーツも切り分けて冷蔵庫にラップをかけて入れておく。あとはプリンができたら冷やして盛り付けるだけっと。
「お、プリンできた」
ちょうどできたようだ。オーブンを開けて取り出していく。熱いから注意っと……。
むっちゃいい匂いする。このまま食べたい。我慢だよ、我慢。ステイ、俺。
粗熱とったら冷やして聖が帰ってくるまで我慢だ、頑張れ、俺!!
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