閑話1
とある中級探索者パーティーと初級探索者パーティー
「先輩方!宿題のランク4ダンジョン全部踏破終わりました」
「おう、お前らのパーティーもこれで俺らの助けが無くてもランク5以上のダンジョンに潜れるだろうな」
「探索者成り立ての私たちに本当によくしてくれてありがとうございます」
「良いってことよ、俺らも最初はダメダメだったしな」
「そうそう、お礼は今度酒でもおごってくれればいいのよ」
「そういえば、最後に行った奥久慈ダンジョンで不思議な人見たんですよ」
「あ、いたいた。あのすごい勢いで私たちを追い越したと思ったらまた上からダンジョン潜りなおしてた人でしょ」
「周回周回周回ってずっとぶつぶつ言っててちょっと怖かったよね、あそこのダンジョンボスはメガスライムだったのに何で何回も……」
「……」
「どうしたんすか先輩方」
「唐揚げ食いたかったんだろな」
「え?」
「いや、照り焼きかもしれないぞ」
「え?」
「俺は煮込みも好きだ、卵と一緒にな」
「……え?」
奏と凜華を眺める周りの冒険者たち
「また、黒田のやつ新入りに絡んでたよ」
「今回は所長がすぐ来てくれてよかった」
「上級から落とされそうだからって中級なったばっかの新入りに八つ当たりすんなよな。この前渋谷ダンジョンに始めてきた中級者のパーティー黒田のやつに絡まれた後、もう来てないもんなぁ」
「あの子もこれで来なくなるとか無いといいけど……。おい……所長が笑ってるぞ」
「まじかよ、俺笑ってるとこ初めて見たよ」
「冷たい感じで怖いもんな」
「俺実は依頼失敗して落ち込んでた時声かけてもらったことある。良い方は上からだったけど、結構丁寧にアドバイスくれたんだよな……」
「まじかよ。でも俺も組合職員の子から聞いたんだけどよ、所長甘いもの大好きで甘いもの食べてるとき満面の笑顔らしい」
「わかんねぇもんだな」
「だな……。それはそうとお前組合の子って誰だ!誰と仲良くなった!吐け!」
「そうだぞ!ずるいぞ!!」
「うるせぇ、お前ら寄ってくんな!絶対教えねぇかんな」
妹ちゃんと友人たち
「そういえば聖、この前言ってたアイス食べたの?」
「あ、あの温泉饅頭っしょ。聖たまに変なの食べるよね」
「別に変じゃないし……。あとアイスはおにぃに食べられた」
「え、まじ。最低じゃん聖の兄貴」
「食べ物の恨みは深い、許すまじ」
「でも、大丈夫。代わりに今度プリンアラモード作らせることにした」
「聖のお兄さんって何かとハイスペックだよね。掃除、洗濯、料理にお菓子も作れるときた」
「別に……。普段は寝てるだけだし」
「ふーん」
(聖ってやっぱ兄貴の事大好きだよな)
(しー。これでも本人は隠せてるつもり)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます