第28話 花ちゃん、まるちゃん、こうちゃんのこと

初めてお世話に行った頃は花ちゃん一匹でした。

ちょっとシャイでまる顔の可愛い女の子の猫ちゃんです。

何回かお世話に行くうちに慣れてくれて撫で撫でさせてくれるようになりました。

一年ぐらい経った頃でしょうか

もう一匹保護猫ちゃんを譲り受けましたとご連絡をいただきました。

まるちゃんと言う名前のハチワレの男の子です。

まるちゃんが家族になってから初めてのお世話をするに当たってお打合せに伺いました。

とても人懐こくてすぐに寄ってきてくれました。

そして花ちゃんとまるちゃんのニ匹になってから初めてのお世話に行きました。

まるちゃんが玄関までお迎えに来てくれて玄関の土間でゴロンしてくれました。

私がお家に上がるとまるちゃんは私の靴を前足で抱え込んで抱きしめて足を入れるところに顔を突っ込んでゴロンゴロンしています。

あらぁ〜汚いよぉ〜と言ってもまだ靴を抱えていましてが、私がお部屋に入るとまるちゃんも付いてきました。

花ちゃんはどこへ行ったのかしら?

花ちゃんは姿をみせません。

そのうちに出て来てくれるだろうと

トイレのお掃除を始めました。

奥のお部屋に行くとカーテンの向こうに花ちゃんの影が映っていました。

花ちゃんこんなところにいたんだね!と話しかけるとこちらを見ています。

そこへまるちゃんがきて窓の桟に飛び乗って花ちゃんに近づきました。

花ちゃんはう〜う〜と低い声で唸り、まるちゃんが更に近づくとシャーッと言って逃げてしまいました。

まるちゃんはまだ若い猫ちゃんなので遊びたいのですが、花ちゃんは一匹でのんびりした暮らしからまるちゃんと二匹の暮らしになったことに慣れていないようでした。

花ちゃん一匹の時は私が行くと出てきてくれたのですが、まるちゃんがきてからすっかり用心深くなってしまいました。

それからどのくらい経ってからでしょうか

もう一匹保護猫ちゃんを迎えられました。

三匹のお世話をお願いしますと依頼いただきお世話に伺いました。

こうちゃんと言う男の子です。

この子もまだ若い猫ちゃんでなかなか活発です。

まるちゃんはこうちゃんのことを気にしていないようでしたが、花ちゃんは元気いっぱいのこうちゃんにかなり戸惑っているようでした。

こうちゃんが近くを通っただけで唸っていました。

花ちゃんはどうも男の子が好きではないようです。

花ちゃんは相変わらずどこかに一匹でいてまるちゃんやこうちゃんと一緒にいません。

三匹での暮らしも何年か経って久しぶりにお世話に行くと相変わらず花ちゃんは男の子たちと仲良しとはいえませんが、まるちゃん、こうちゃんがいてもキッチンのカウンターのところに出てきてちゅーるをお皿に盛るのをみています。

そして、まるちゃん、こうちゃんと一緒にカウンターでちゅーるを食べてくれました。

猫ちゃんは相性がそれほど良くなくても、お家の中で棲み分けて平穏に暮らすということが多いです。

最初シャーッって言って先住の猫ちゃんが新入りさんを受け入れないように見えても、1週間とか1か月経つと仲良く暮らしたりします。

仲良くなくても棲み分けて暮らすことができる場合が多いです。

お試しで預かって1日か2日で諦めてしまう方もいますがもう少し様子を見てもらうといいかなぁと思います。

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