第27話 マサトくんのこと

マサトくんはコーギーちゃんです。

お庭に大きなマサトくんのスペースがあってその中に小屋もあります。


小屋の扉を開けるとマサトくんが出てきます。

小屋の中ではリードはつけていません。

ゆっくりと歩いてきて扉の外に出てリードをつけてもらうのを待っています。

お打合せの時、「えっ!外でフリーにしてしまってもどこかへ行っちゃったりしないのですか?」と驚く私に、「逃げちゃったりしませんから大丈夫ですよ」とお家おの方がおっしゃいました。

その通りマサトくんは外に出てもその場所にじっとしています。

マサトくんにリードを付けると小屋の外にある杭に一旦繋いでおいてお散歩の前にお水を交換します。

マサトくんはその間に林の中に入って行ってオシッコをします。

そしてお散歩に出発します。

のんびりのんびり歩きます。

どこでも歩きたいところを歩かせて嗅ぎたいだけ匂いを嗅がせてやってくださいとのことです。

長い間匂いを嗅いで満足するとマサトくんはまたゆっくり歩きだします。

下り坂は歩くスピードが速くなって登り坂ではペースダウンしてゆっくりになります。

たまに近所の人に会うと、「マサト散歩か!」と声をかけられることがありますが特に嬉しそうにもしないで何事もなかったように通り過ぎます。

ウンチをするとおやつをもらえます。

ウンチをすると私の方をみておやつが出てくるのを待っています。

おやつを食べるとお水を飲みます。

お水はたくさん飲みます。

そしてまたゆっくりと歩き出します。

ウンチの時以外でもお散歩コースでおやつを食べてお水を飲む場所が決まっています。

その地点に到着すると私の方を見上げて、おやつまだですかぁ?という顔をします。

あっ!そうだったね、ここでおやつ食べるんだよね、と私は気がついておやつを取り出します。

おやつと言っても特別なものではなくて、ご飯と同じ大粒のドライフードです。

マサトくんはご飯が大好きですから美味しそうに食べます。

お散歩から帰るとご飯が食べたくてウォンウォンと空に向かって低い声で鳴きます。

ちょっと待ってね、ブラッシングしてからねとブラシを持ってきてブラッシングを始めるとお腹ぺこぺこなのであんまり嬉しくないのですがされるがままになっています。

でもその間中ずっとウォンウォンと低い声で鳴いています。

その声もうるさくなくてなんだかのんびり聞こえます。

お待ちかねのご飯は小屋の中で食べます。

残すことなくペロリと全部食べお水を飲んで終了です。

マサトくんはご飯が終わると小屋の奥の方歩いて行ってお庭が見えるあたりで外に向かってウォンウォンと鳴きます。

いつも同じ方を向いて鳴いています。

誰かにお話ししているような感じです。

何か要求しているようにはみえません。

マサトくんのウォンウォンはなんだったんだろう?と今でも思い出します。

お散歩大好き、ご飯大好きいつも落ち着いていて大人しくて感情をあんまり表さないマサトくんは今は天国でお散歩しているかな...

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る