第19話 ミクちゃんとトラちゃん

2匹の猫ちゃんのお世話を頼まれました。

ミクちゃんとトラちゃんです。

ミクちゃんは大人しい女の子の猫ちゃんです。

トラちゃんは活発な男の子の猫ちゃんです。

ミクちゃんは目が不自由なのでお家の中にいます。

ミクちゃんは生まれて間もない仔猫の時保護されました。

衰弱して両目がただれていましたがお医者さんに治療してもらい一命を取り留めたそうです。

でも目は見えるようにはならなかったそうです。

この時も目薬をさしてくださいと言われていたのでミクちゃんを抱っこして毎日目薬をさしました。

でもミクちゃんはまるで目が見えているみたいに階段を普通に下りていき、お部屋からお部屋へと自由自在に走りまわって遊んでいます。

体はすっかり回復して元気ですし、お家の中の構造をちゃんと把握しているのですね。

トラちゃんは普段は外に出ることを許されていますが一旦外に出ると1週間ぐらい帰ってこないことがあるので今回はお家の中で過ごします。

トラちゃんはとても食欲があります。

先にドライフードを用意して器に入れるとすぐに来てもりもり食べます。

ミクちゃんは別のお部屋にいてトラちゃんが入れないようにドアを閉めてあるのでお部屋でゆっくり少しずつご飯を食べます。

お世話中はミクちゃんをお部屋から出してフリーにするので2匹で仲良く遊びます。

ドライフードのあとウエットフードも与えるのですがこの時が大変です。

一袋を半分ずつお皿に盛り付けるのですが袋の封を切った途端トラちゃんが走って来て袋に飛びついて齧ろうとします。

ウエットの袋を上に上げてトラちゃんから守ろうとするとなんとかして食べようと私の体によじ登ってきます。

トラちゃんをかわしながらどうやったらお皿にウエットを盛ることかできるのか困ってしまいました。

ワンちゃんなら高いところにお皿を置けばとどきませんが猫ちゃんは高いところでも飛び乗ってきます。

お皿を置くところがないので、私はキョロキョロしてしまいました。

仕方なく食器棚の扉を少しスライドして開けて、食器棚の手前のスペースにお皿を2つ置いてトラちゃんが入れないように体でガードしてウエットフードを分けました。

やれやれ!この手があって良かったって感じです。

こんなに食欲のある猫ちゃんのお世話をしてたのは初めてでした。

次の日に行ってみると、器に山盛りに入れたご飯では足りなかったのかお家の方がフードの袋を床に置いてお出かけになったので、その袋を破って食べたらしくフードが床に散乱していたのでびっくりしました。

その日は猫ちゃんが開けられないところに袋を入れて帰りました。

その頃はまだ紙の報告書を使っていたのでテーブルで書いていると人懐こいトラちゃんは甘えてきます。

でも少し経つとお部屋の中をそわそわ歩いて窓の近くに行って、開けて!開けて!と鳴き出します。

いつも外で自由に過ごしているので外に出たくてたまりません。

猫ちゃんは外の刺激に慣れてしまうと中で過ごすのが退屈になるようです。

自由を満喫する癖がついてしまうのですね。

ミクちゃんは手作りの猫じゃらしのおもちゃで飽きずに遊んでくれました。

一番困ったことはトラちゃんがお家の方の部屋着とかタオルの上にウンチをしてしまうことでした。

気がついた時は何度もしてあって柔らかいウンチで取り除くこともできません。

お家の方に了解してもらってゴミ袋に入れて口を縛りました。

結構長い間のお留守番でしたがトラちゃんも外に出たいのを我慢してお家の中で元気で過ごしてくれました。

ミクちゃんの目も炎症を起こしたりしなかったのでホッとしました。

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