第15話 てんちゃんのこと

てんちゃんのこと


てんちゃんは黒柴のワンちゃんです。

朝夕結構長い時間お散歩します。

長い距離を黙々と歩きます。

穏やかな性格で最初からすんなりとリードを付けさせてくれましたし、おやつを手から食べてくれましたしお世話に当たって問題はありません。

只、お家の方から車を見ると吠えかかって行くので注意して欲しいと言われました。

広々とした畑が広がっているところがお散歩コースです。

向こうから車がきました!

リードを短く持って止まって構えているとてんちゃんが唸り出しました!

車が通り過ぎる瞬間、ガウガウ!ワンワン!と唸って吠えながらクルクル回って車に飛びかかろうとしました!

リードをしっかり持って車が通り過ぎるのを待ちます。

夕方などはお仕事帰りの車が次々に通っていきます。

あっ!また来た!リードを持って身構えると

今度はてんちゃんは知らん顔しています。

てんちゃんは飛びかかろうとする車と知らん顔する車がある事が分かりました。

さっき軽トラを見て飛びかかろうろうとした!

また軽トラが来たぞ、飛びかかるぞ!と手に力を入れると、てんちゃん知らん顔してます。

てんちゃん何を基準にしているのか何度もお散歩していますが未だに分かりません。

私の見た感じでは、大きい車とか軽自動車とかの違いではないようです。

もちろん色でもないしスピードでもないようです。

私にはさっぱりわかりませんが、

てんちゃんは何かを感じて飛びかかろうとしたりしなかったりします。

ある日の夕方のお散歩の時でした。

いつもようにてんちゃんは車が来るのをみて唸り出しましたガウガウッと吠えながら飛びかかろうとしました!

そうしたら、ワン、ワン、ワン、ワン!と吠え返す声が通り過ぎる車の中からしたのです!

そして吠える声とともに車は遠ざかっていきました!

てんちゃんと私はキョトンとしてそこに立っていました。

その後今起こったことが可笑しくて私は思わず大きな声で笑いました。

てんちゃんは不思議そうな顔をして私をみていました。

これはお家の方に伝えて一緒に笑わなくちゃ!とLINEで報告すると「笑」の文字が送られてきました。

てんちゃんも顔負けの出来事でした。

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