第13話 アキちゃんのこと
アキちゃんのこと
お打合せだけなるべく早くしたいので、とお電話いただきました。
小型の老犬と二人暮らしだとおっしゃる方からでした。
ご自分も持病がありいつ入院になるかわからない。ワンちゃんは寝たきりで介護が必要な状態で
自分が急に入院になったらアキの世話をお願いしたいとのことでした。
お打合せに伺うとアキちゃんはベッドに寝ていました。歩くことはできません。
ご飯はこんな感じで口に運ぶと食べますなど
お世話の仕方をお打合せしました。
お家の方が抱っこするとアキちゃんは嬉しそうでした。
そうだ!とってもいい感じなので写真撮りましょうか?とスマホを取り出してパパに抱っこしてもらって嬉しそうなアキちゃんの写真を撮りました。
アキちゃん、可愛いね❣️
と私が抱っこされているアキちゃんに言うと
アキちゃんは何か訴えるように高い声で鳴いて盛んに私に話しかけてきました。
抱っこしてたお家の方は
アキがこんなに元気にに鳴くのを久しぶりに聞きました、と驚かれたました。
ご依頼をいただく時は緊急事態が起こった時ですので、「ご依頼がない事をお祈りしています」と言ってお打合せを終わりました。
外に出るとお庭に白い花を咲かせた木がありました。
綺麗ですね!なんて名前の木ですか?
とお聞きすると、これは山ぼうしといって花が終わると赤い実をつけます。と教えてくださいました。
食べられるのですか?と思わずお聞きすると美味しいですよ!とのこと。
家に帰ってからパパとアキちゃんの写真をプリントアウトするとなんとも微笑ましいいい写真が撮れていたのでさっそくお送りしました。
お客様はとてもよろこばれて、あの日アキが大きな声で鳴いた時久しぶりにいつものアキに会ったような気がしました。とメールをくださいました。
それからどのくらい経ったでしょうか...
お客様からメールで、「アキは天国にいきました。お世話になりました」とご連絡をいただきました。
パパが入院して一人でお留守番をするという試練に会うこともなくアキちゃんはパパに見守られて穏やかに天国へ旅立ったのでした。
お客様の安堵がメールから伝わってきました。
アキちゃん良かったね。
天国で走り回っているかな...
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