第12話 ミルちゃんのこと

ミルちゃんの事


ミルちゃんはミックスの小型のワンちゃんです。

顔にちょっとテリアを思わせるところがあります。

スリムで毛の色が金髪でどんな犬種のミックスなのかお家の方も分からないとおっしゃっていました。

俊敏で元気がよくて活発です。

お庭で上の方に長いロープが横に張ってありそこにワイヤーリードがかけてありミルちゃんが繋がれています。

結構広い範囲を横に移動出来るようになっています。

私が行くと警戒してずっと吠えていました。

お家の方は噛み付くので気をつけてくださいとおっしゃいました。

実際私のシャツにちょっと噛みつこうとしました。

首にリードをつけることは出来ないのでワイヤーリードの代わりに長いリードをミルちゃんにつけて横に張ったロープに繋いで置いてもらうことにしました。

横に張ったロープからロングリードを外すことができればそのままお散歩に行くことができます。

練習してみることにしました。

お家の方には隠れていてもらいました。

私がいくとミルちゃんはすごい勢いで吠えています。

おやつを投げてミルちゃんが取りに行っている間に横に張ったロープからリードを外すことができました。

成功です!

これで当日お散歩ができます。

そしてお世話当日同じようにしてリードを外してお散歩に出かけました。

お散歩が始まってしまえばミルちゃんは私のことなど気にもしないでもう夢中で歩きます。

というか走ります。

エネルギーが有り余っていて歩いてなんかいられない!って感じで走って私を引っ張ります。

お散歩するところはずっと田んぼや畑が続くところで至るところに浅い水路が張り巡らされています。

ミルちゃんは道を歩かないで水路の中を走ります!

水路は深くはありませんが水が流れています。

その中をしぶきをあげて走ります。

夏だったのでとっても気持ち良さそうです。

水路の中を走っていれば熱中症の心配もなさそうです。

水路が途切れると仕方なしに道に上がってきます。

私はクタクタになってしまい、ミルちゃんちょと休憩しようよ!と涼しい木陰に連れていきます。

さすがにミルちゃんも疲れるのでしょう、冷たい草の上に伏せてハーハー息をしています。

毛は水に濡れて体に張り付きミルちゃんは益々細く見えます。

顔は満足そうで笑っているような表情です。

楽しくて仕方ないよ!って言っているような感じがします。

最初お打合せの時、ちょっとお散歩は無理かもしれない、もしかしたら噛み付くかもしれないと思っていました。

でもこうして楽しそうなミルちゃんの顔を見るとお散歩できて本当に良かったと思いました。

お散歩が終わってお家に帰るとミルちゃんは私が近づいても吠えも噛みつきもしないでとても落ち着いています。

ご飯も食べて手からおやつも食べてくれました。

次の日はまだ空気が冷たい早朝に朝露で濡れた草の中をお散歩しました。夕方は昨日と同じように水路の中を走って楽しくお散歩しました。

若くて元気いっぱいのワンちゃんでした。

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