第26話

「本当?」


守さんは離れてくれた。


「はい」


酔っ払っていらっしゃる。目がうつろである。


「じゃあさぁ〜他にもいろいろするんだよ?えっとねぇ…」


ディープな話になってしまった。守さん、前はそういう話避けてたのに。話したかったのかな?


「いいと思いますよ?」


「ほんと?なーんだぁよかったー」


また抱きつかれた。


「亮介くんだけに話せた〜嬉しい〜」


「そうなんですね…」


「俺さぁ、みどりからね、一人でできるよーに練習しろって言われてんの!そんなの気持ちよくないよね?」


「そ、そうなんですね…」


「キスしないと気持ちよくなれないもん!」


子どもみたいになってます…守さん。そんなところもかわいらしいから、モテるのかもしれない。


「あら…なにをされてるの?」


「お、おかえりなさい。守さんは酔っ払いました」


奥様ご帰宅です。


「え?…ワイン飲めたの?守?」


まだ抱きつかれてるのだが。


「守さん、奥様がおかえりですよ?」


「はぁ?みどりなんなの?亮介くんとおしゃべりしてたのに邪魔しないでよね!」


「抱きついてるなんて珍しいね。キスしてたの?」


「はぁ!?なにそれ!するわけねーだろがばーか!」


「守さん、落ち着きましょう」


「守、もう遅いから亮介くんには帰ってもらわないとね」


「えー!?そんなのやだー!もっと話す!」


「こらこら。甘えん坊さんねぇ。ごめんね、亮介くん」


「いえ…」


「守、酔っ払いすぎ。明日も会社行くでしょ?」


「そーだけどー」


ようやく離れてくれた。

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