第27話

「美作教授はタクシーで帰られたので。亮介くんはタクシーで帰りますか?」


「いや、まだ終電あるんで。ギリ」


「そう。じゃあ気をつけて」


「ありがとうございました。ご馳走様でしたと、守さんにお伝えください」


「はい」


…ふぅ、守さん大丈夫かな?

あれ、なんで俺ここに来たんだ?…あ、奥様に安菜さんのこと聞くはずだった。

うーん、それどころではなかった。


守さんに襲われるのではと思ったが、そんなことはなかった。勘違い。だから、安菜さんの件も勘違いであってほしい!


家に帰ると、笑理は寝ていた。はぁ、話したかったんだけど…いや、話していいのかな?守さんは覚えてないかもしれないから、やめておこうかな。


翌日、守さんから電話があった。


「昨日はなんか、全然おぼえてなくて…ごめんね。せっかく来てくれたのに」


「いえ」


やはり記憶がないようだ。


「俺なんか変なことしてなかった?」


「はい」


抱きつかれたが。


「そっか。よかった。また遊びにおいで」


「ありがとうございます」


お酒を出さないよう気をつけよう。

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