第16話

「あと一個しかないよ」


「…まだ、引き出しにあります」


「これも引き出しに閉まってたほうがいいよ?劣化しちゃう」


「あ、はい…わかりました」


じろじろ見られる。なんか恥ずかしいな。碧唯さんはにやっと笑った。

そして、ようやく座ってくれた。お茶出そう。


「碧唯さん、アメリカに行ってると聞きましたけど、いつ帰ってきたんですか?」


「つい最近かな」


「家帰った方が…」


「平気」


えー


「亮介くんが、ナンパしたとか聞いたけど」


「…まぁ、そうなりますが」


「彼女とすぐ付き合えたの?」


「そ、そうなんですよ!いや、俺もビビって。友達に話しても信じてもらえなかったんです…俺の目が好きとか…」


「目?」


「猛禽類とかに近いのがいいとか言ってました」


「…変わった子ね」


「それで、…これは、誰にも話してないんですが、…彼女も一目惚れしたとか言ってて」


恥ずかしい!自分で言うなよ!

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