第15話

「どうぞ、座ってください」


「ねぇ、亮介くん。棚の上」


「は?」


碧唯さんは、ベット脇の本棚に寄っていく。それは、笑理の本が入ってるけど。


「これ、使った?」


…箱を持ち上げた。えーと、それはゴムなのですが…


「…は、はい」


「まじで!?今の彼女で卒業ってことかしら?」


「え?…いや違います。高校の時です…」


「えー?うそ!知らない!だって元カノ絵里ちゃんとはやってなさそうだったじゃん!」


「なんでわかるんですか?」


「だって私聞いたもんね。普通の会話に紛れて亮介くんって寝相いいのかしらって」


「えー」


「そしたら、一拍置いて…はい。いびきは?って聞いたら、また置いて…かいてないですって。知らなかったから、返事の歯切れ悪い。それまでの会話はポンポンしてたのに」


「それでわかるなんて、碧唯さんすごいです」


「なんで?婚前はだめって?」


「いいえ。そもそも、手とかも繋がないというか…」


「えー、まじでー。亮介くんはなんでそんな女と付き合ってたのかしらね」


「…それは、劇の話をしたり、まぁ、いろいろ話は合ってて」


「それは、仕事としてなのよね。仕事のパートナーみたいな?」


「…そうなんですかね」

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